2013/07/14-15小川山烏帽子岩左稜線・ガマルート

2013/07/14-15 小川山烏帽子岩左稜線・ガマルート【報告者 O田】 メンバー:O田 Issey

一週間前に梅雨明け宣言したのにも拘らず、何故か太平洋高気圧が弱まり梅雨前線が南下して来た。諦めきれずに芦安まで行き、駐車場で朝を迎えて改めて天気予報をチェックしてみるも、14日夜から15日午前中雨の予報アタック予定日の15日はダメだと14日に上がって取り付き、そのままビバークも考えたが2度目以降なら未だしも初見では不味そうのとビバークの夜に雨が降るのは確実なので未練タラタラではあったが秋の連休に仕切り直しと決めて、小川山へと転進を決め芦安を後にする。

14日の本日は、I君が行きたがっている烏帽子岩左稜線に取り付くことにして、移動中の車でI君がスマホで取り付きの情報収集、私はiphoneの100岩のトポをDLし、荷揚げの心配が無くなったので途中のコンビニで追加食料・酒の購入をすませて小川山到着。私自身は初めてだが何度も訪れているI君が、駐車中の車を見て一言「メッチャ混んでる」何とか空きスペースに車を停めて、NPなので各自フレンズ1セットにリンクカム1セット装備して取り付きへと向かうが如何せん付け焼刃の為、知らずに裏烏帽子に到着していた?!どこが取り付きと??何でハンガーあんの?と悩んでいると、後から来た方に「此処は裏烏帽子だよ左稜線はもっと手前を左だよ」と教えてもらい仕切り直し、取り付き敗退にならずホッとした。

すぐに分岐も判り今度は一発で取り付きへ、丁度最後の1パーティーのトップが登っている所だった。ビレイ中の方に聞くと前には見ただけで4パーティー入っているとの事、時間が気になるが行ける所まで行こうと、準備をして登攀開始!

1P O田リード

特に問題なし立ち木が少し邪魔なくらい、カムと立ち木で途中プロテクションを取る、ハンガー・リングボルト等明確な終了点は無しトポの通り松の木下でピッチを切り立ち木とカムで終了点を作る。以降この作業が延々続く

 

2P I君リード

松の木に向け直上して、その後右上へダブルクラック手前でピッチを切る

3P O田リード

ダブルクラックを上がり右手へと上がりクラック手前でピッチを切る、ダブルクラックはどちらでも可能、何となくフレアしているような感じ、簡単と思い取り付いたが最初のカムを決めるまでチョット緊張。終了点でバックアップのカムが決まらず細いクラックにボールナッツでバックアップ

4P I君リード

出だしは5.5のクラック、その後フェースへ移行して稜線へと向かうフェースに移ってからチョット緊張するが稜線に出ると高度感が素晴らしい、花崗岩のフリクションにも感心してくるが、I君いわく小川山の他ルートに比べれば脆いとの事、確かに動く所結構あるもんね?!ホールド・スタンス確認作業は怠らないように

5P O田リード

稜線の岩稜帯歩き、素晴らしい高度感で景色は良い!たまにボルダリングのように壁が現れる、トポは無視してザイルを伸ばせるだけ伸ばすようにしていく、途中カムが外れていたとI君に教えられる(汗)以降はスリングで伸ばしてやると外れなかった。

6P I君リード

同じく伸ばせるだけ伸ばすが、このころから前のパーティーが見えるようになる、詰まっている感じ、樹林帯の中で休憩。正直この辺りの岩稜歩きは印象に無いので、ここから先のピッチ数は当てになりませんです

7P O田リード

実質トポでは9P目にあったっていたと思う、進んでいくと目の前に前のパーティーが溜まっているので手前でピッチを切りピナクルでビレイをしたが、ちょっと上をみるとリングボルトが2個あったので、そっちを使うべきだったかな?

8P(10P)I君リード

ここが10P目の左トラバースだと気が付かず、直上してしまい一旦戻る。あとで色々な記録を読むと結構間違えている人がいるようだ、登れるが下れない為3mほどだが懸垂下降になるようで懸垂下降用のリングボルトもあるみたいです。降りて戻った後左手のトラバースへ、手が解れば恐怖感は薄らぐが、リードで解らないと足元切れていて左足一歩がなかなか出ないと思う

9P O田リード

よく写真で出てくる細い階段状の岩場、両サイドはスッパリ切れている幅は結構あるのだが風も強くなり中腰になる。

 

 

10P I君リード

高度感タップリのクラックが目の前にみえる岩稜帯を下ってクラック手前のテラスへ、風が強くロープがたなびいて宙に浮く、テラスは結構広いので前のパーティーも溜まっていたが余裕はあった。

11P 5.7クラック I君リード

クラックNPリードはやった事が無いので、泣きでI君に御願いする。I君「快適だわ~」連発でハンドクラックを楽しんだようだ、私の初クラックは何とかノーテンで終了。結構面白いかもと思えたが下を見ると・・・そのまま歩きで懸垂地点まで、ここまで来ると最終ピッチまで見えてくる、そして大渋滞も見えるトホホ、最終のチムニーはザックの荷揚げもあるのでかなり時間が掛かりそうだ、この時点で15:30前には4パーティー、こりゃダメかなワイドクラック前で下降かなと思うが、取り合えずワイドクラック手前で考える事にする。

下見ると・・・

12P 懸垂下降と歩き、懸垂下降順番待ちの時に雨が降る

13P O田リード

体がすっぽり入る所を登り右手側へ、そこでビレイして、そこから再び懸垂下降する真下へ降りると登り返しなので対岸へ渡るように下降をする。一度ロープを畳んでワイドクラックへと歩く、ここで前の大阪の2パーティーはワイドクラック手前から撤退する事を聞いたので最後まで行くことにする。

14P O田リード

最終のチムニーは、私では恐らくリード出来ないので此処も泣きで順番入れ替えで私がリード、クラックを今日初めて登りジャミングって何?ハンドジャムっておいしいの??状態なのだからワイドなど触った事も無い、少し上にはクラックとは言え角にホールドの様な物も見えるが出だしの体を持ち上げるのに一苦労、疲れてきていて思考能力も落ちていて面倒になりF3を突っ込みA0で体を持ち上げる、後からI君に右足にカチスタンスありましたよと突っ込まれる

 

最終ピッチ

15P I君リード

I君もこれだけ長いチムニーは初めてのようで、少し不安そうだったがカムが効きそうな事が解ると嬉しそうに登って行き上部で悩んでいたが、そこも無事解決し又楽しそうに左上へと抜けていった。チムニーの間から顔が見えて引き上げ準備が整ったようで、ザックを順番に引き上げてもらう、そして自分の番に、出だしはCSにハンドジャム?で体を引き上げチムニー内部へ2、3スタンスを拾って上に行くとそこからバックアンドフットもしくはツッパリで上部へ右手が小さいテラスのような所で向きを変えて少し上がる、ここで力尽き左側のヌンチャクを掴み休憩、休んだらチョット気合を入れて左のフェースへと体を出す。ガバは無いので少し緊張するがゆくっりと体を上げると終了点に、どうやら一番最後のようで後続は無い、登り終えたねと満足感に浸り休憩に写真撮影!バットレスには行けなかったけどNPの良い練習になったし、初めての花崗岩のクライミングはフリクションばっちりで本当に楽しかった。ただ7時間ちょとクライミングシューズを履き続けたので指が目茶苦茶痛い 取り付く前に渡渉地点でビールを冷やしていたので下降も苦にならずにサクッと下降完了!!早速ビールを引き上げかんぱーい!!プッハァー最高だぁぁぁクライミングが終わってから、こんな短時間でビールが呑めるなんて小川山最高ぅぅぅと話しながら車へ戻り夕食飲酒撃沈、翌日へ

ビールうまし

 

 

 

 

 

 

15日  セレクションかガマルートに時間があればもう一個マルチをと話をしていた。取り合えず名物との事でガマルートへ、スラブで有名な1Pをやらして貰う為、奇数は私で偶数はI君に結果核心はI君で助かりました。

1P O田リード

スラブ結構得意だと思っていたが、苦手かもしれんと思い直す。フリクションはある程度あるが昨日の様にバッチリでは無いので慎重に選びながら体を上げる、上の立ち木でビレイ。取り付には何パーティーも続々と現れる、流石人気ルートだなと思ったがマルチでやる人はいなかったようで2P以降は後続が現れなかった。ビレイ後左手へ

2P I君リード

パッと見てもこれが5.9とは思えないのだが所謂小川山グレードと云う物なんだろうか?I君は左手側のクラックというかコーナー部分を上手く使い上がって右側へ、ホールドらしいホールドが無いスラブでフェースに近いような傾斜を上手く上がって行く、自分はここでテンション(汗)小川山のスラブはキツカッタ、細かく上げるよりハイステップ気味に上げて乗り込む方が良く効く

 3P O田リード

快適なフェースで最後少し立って来るがコーナーなのでステミングで張ってホールド掴んで終了。歩きで移動

4P I君リード

出だしは階段状だが登って行くにつれ滑らかになりツルッとしてくる感じ中盤以降は左手フレークを使うので左寄りに行かないと辛い、核心は終盤の左ポケット、指一本でも浅くても体重は分散されるんだと気付かされた。ここでも足が滑るが何とかテンションにはならずにすんだ。

5P O田リード

歩きで移動しているうちに終わってしまい。懸垂下降地点へ 40m懸垂で下へ降りて、この後もう一本やるかどうかを検討したがお互いクライミングシューズが辛く指が痛くなっていたので帰ろうと意見が一致して帰宅準備をする。

この時に私の携帯に仕事のトラブル連絡が、その為お風呂にに入らず急遽帰る事になってしまいI君には申し訳無い事になってしまった。岐路途中にはトラブルも解決済みになったのだが高速に乗っているし、そのまま帰る事にI君は翌日にもフリーの予定を入れた模様でクライミング三昧の三日間になったようだ、だるい腕を擦りながらおじさんは二日で十分かなと考えていたのだが、小川山に一週間くらい居てみたいなぁとも思うのであった。

最後に13日に小川山 屋根岩2峰 「セレクション」にて懸垂下降時に事故があり、ベテランの68歳男性が亡くなられたようです。ご冥福をお祈りします。

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