2012/08/04-06 剱岳八ツ峰六峰

【報告者 N田】
メンバー:M崎、F森、N田、I
魚津高ルート:M崎、N田
中大ルート:F森、I
8月4日
室堂7:50→ 雷鳥沢キャンプ場8:30→ 剱御前小舎10:10
→剱沢キャンプ場10:50(幕営)
8月5日
剱沢キャンプ場6:15→ 長次郎出合7:25→ 六峰Aフェース取り付き8:25
→左ルート登攀9:00 →撤退完了11:00
魚津高or中大ルート登攀11:30→ 登攀終了13:00 →懸垂下降終了14:00
Aフェース取り付き14:25→ 長次郎出合15:35 →剱沢小屋17:15(酒宴)
→剱沢キャンプ場(幕営)
8月6日
剱沢キャンプ場6:10→ 別山7:10→ 内蔵助カール上部8:20→ 大汝山9:20
→雄山9:45(30分休憩) →一ノ越山荘10:50 →室堂11:20
<4日>晴れ
晴天の中、玉殿湧水を飲み、出発。雷鳥坂は、荷物が重いし、太陽が照っていて暑くて、厳しい上りだった。
剱御前小舎からキャンプ場への下りは、途中雪渓があるが問題なく、そして緩やかに下れた。
テントを張って、すぐさまビールを飲みに行く。小屋まで5分と書いてあったが、少々遠く感じた。
別段することがないので、みんなで酒を飲む。剱岳を見ながらのビールは最高だった。
雷鳥沢
剱をバックに記念撮影!@剱沢小屋
剱沢キャンプ場
剱沢キャンプで乾杯!
お昼ねちゅー zzz
テント場に戻って、各自自由時間。
I君のテンションが高く、近場の石でボルダーを始める。クライミングシューズを履いて、チョークをつけて、トラバース課題に挑んだ。
酔っ払いながら、何度もトライ。ついにI君トラバース完遂。
早めの夕食をとり、翌日のコースを考える。
もし状況がよければ、六峰を登った後、5,6のコルを下って、長次郎谷の左俣をつめ、剱岳の頂を踏もうということになった。19時くらいまでヘッデンなしでも過ごせた。
そして、早めに就寝。。。
<5日>曇りのち雨
~雪渓に関するM隊長のアドバイス~
※雪渓の急な下りは、前歯を刺して歩かないと危ないぜ。踵から着地すると滑るぜ。
※ピッケルは山側に持つんだぜ。
※長次郎谷の傾斜なら、フロントポインティングで真直ぐ上るよりも、ジグザグに上った方が早いぜ。
朝はやっぱり肌寒い。
1時間くらいで準備して出発。
踏み後が無くなるあたりで、アイゼンをつけて、剱沢雪渓に入る。平蔵谷あたりで、2人パーティーに会った。
彼らは、長次郎谷を直でつめて、剱岳の頂を踏むルートをとるとのことだった。
急な上りの前に、長次郎谷出合で休憩。長次郎谷の上りは、かなり辛かった。
長次郎谷を登る
6峰
某テン場
そして、Aフェースへの上りが一番急斜面だった。5,6のコルを下る予定だったので、アイゼンとピッケルをデポし、登攀具を身につけザックを背負って、登攀開始。
~左ルート~ルートについて調べることができなかった。
1p目M隊長リード
慰霊碑の右側の凹角を登り、右に出て、それから左上。
2700m以上ということ、ザックを背負っているということからか、やけに難しく感じた。
凹角上部が核心。
終了点は、二人くらいしか立てない。
左ルートをリードするM隊長
2p目私リード
凹角を登り、左にでて右上。凹角のところにプロテクションがなかったため、精神安定のためリンクカムを借りて使った。
4ピン目とったところで、力尽きた。
少々かぶり気味で、ホールドが乏しい。
ハーケンにマジオチするのが怖かったので、テンションをかけて休んだ。
5ピン目をとり、上に行こうとするが、プロテクションが見当たらない。
そこから3m以上登らないと、次が見渡せない。
そのあたりに、ガバっぽいホールドが見えるが、あれをとって何もなかったら・・・と考えると先に進めなかった。
時間をかけてそこまで行ったのにすいませんと心で思い、みんなに謝りながら、下ろして貰う。
左ルートを登るN田
2p目M隊長リード
サスケの様に素早く登っていく隊長。
5ピン目まで行き、そしてさらに上へ。
私が見たガバホールドをとり、上を見渡すが、どうやらプロテクションが見当たらない様子。
そこで、このルートはやめようということになり、撤退。
その間、富山大の学生二人組が、中大ルートを上りにやってきた。
そこで、ルートがしっかりしていそうなので、彼らの後に中大ルートを登ろうということになった。
そして、懸垂で降りようということになり、ザックも下に置いていくことになった。
この時点で、剱岳の頂を踏むという案は、時間的に無理となった。
中大ルート、1p目で学生が手こずっていて時間がかかりそうだったので、M隊長と私は、魚津高ルートを登ることにした。
~魚津高ルート(40mⅢ+、40mⅢ、40mⅡ)~
1p目M隊長リード
中大ルート取り付きからクライムダウンしたため、取り付いたところは、トポの右点線ルート。そこから、岩の間を通って、左上して行く。
懸垂で降りるということだったので、空身で登る。左ルートとは違って、快適に楽に登れた。ただ、ザックを背負っていると、ザックがつっかかるかもと思った。
2p目私リード
終了点より左から登り、右カンテ通しに直上、最後は左にトラバース。
少々長く感じたが、Ⅲ級だと納得がいくようなところだった。
3p目M隊長リード
トポ通り、浮石パラダイスだったが、ちゃんとしたⅡ級という感じだった。M隊長はプロテクションを2つしかとっていなかった。
ここで、中大ルートを登っていたI君と合流。どうやら左に来てしまい、ルートを間違えたようだった。
先行パーティーの方に聞くと、彼らも2p目で魚津高ルートの終了点に来てしまったとのこと。トポでは、もっと右下に終了点があった。
彼らは、5,6のコルに降り歩いて戻るため、ハイマツを支点に懸垂下降して行った。
私たちは、魚津高ルート終了点から懸垂下降。
2p目の終了点があまり信用できないものだったので、中大ルートの1p目終了点へ降りる。
ロープを肩に乗せて、クレムハイストでバックアップをとり、私が行った。
中大ルートの取り付きに置いてあるザックを頼りに、その終了点を探し、無事到着。セルフをとって待っていると、富山大の二人がもう取り付きに降りてきていた。やはり、歩いた方が早いようだ。
待っていると、I君がロープを二本担いで降りてきた。
このテラスは、2人用くらいなので、すぐさま別の二本で懸垂をセットし、ロープダウンし、降りた。
ロープ回収もうまくいき、無事終了。
中大ルート1P
さて、後はテント場に帰るだけ。登っているときからガスっていたが、雨がポツリポツリと降ってきた。
急な雪渓下り、怖くて早く下れません。
ゆっくりジグザグに下っていく。
ちょうどその急な雪渓を下ったあたりから大粒の雨と変わる。レインウエアーを着たいが、平らな場所がない。
ずぶ濡れ一歩手前くらいのときに、岩の上でレインウエアーを着る。
下はアイゼンがひっかかって着られないので、諦めた。
少々命の危険を感じながら、なんとか長次郎谷出合に到着。その頃、雨も小降りとなった。後は、雪渓を上り、もと来た道を帰り、剱沢小屋へ。
やっぱり、そこでビールで酒盛り。
剱岳には行けなかったが、アルパインルートを登ることができた充実感で、満悦。
テント場についたら、すぐさま夕食を食べ、就寝。。。食当の必要性を感じた。
<6日>晴れのち曇、小雨
~テントの撤収に関してM隊長のアドバイス~
※ポールは真ん中から折るんだぜ。そうしないと、ゴムが伸びるぜ。
※入り口は最後だぜ。たたむ時に、空気を抜かないとダメだぜ。
立山詣でして帰ることになった。
剱沢キャンプ場から上っていく。
最初の頂、別山からの眺めは最高だった。
このときまだ天気が良かったので、剱岳とガスに包まれそうな立山がバッチリだった。
しかし、そこらへんから、雨がポツリポツリ。
昨日のことがあったので、すぐさまレインウエアーを着るが、本降りにならず、後で脱ぐことになった。富士ノ折立への上りはキツかった。
大汝山へは、空身で。
岩岩しているので、ちょっとしたボルダーが楽しめた。
3015mで記念撮影。
いぇーい!@大汝山
そして、雄山へ。
小学生が沢山いた。
雄山
そこで、昼食をとっていると、雨が降り出してきた。
レインウエアーを上下着て、下山。
後は、下るだけ。一ノ越山荘からは、何箇所が雪渓が出てくるが、ロープがフィックスしてあり、危険を感じることなく、快適に下れた。
<まとめ>
荷物が20キロを越えて心配していたが、案外大丈夫だったので、次回はフリーズドライではなく、ちゃんとした食べ物を持っていこうと思った。
登攀に関しては、高所でザックを背負って登るため、ジムでも重りを背負って登るトレーニングの必要性を感じた。
次回は、熊の岩でテントを張って、登れるだけ登って、剱岳の頂を踏みたい。
最後に、このメンバーで行けて、貴重な体験ができてよかったです。
どうもありがとうございました。また、よろしくお願いいたします!
<費用>
交通費:5000円(車)+4190円(ケーブルカー+バス)+300円×2(荷物代)
嗜好品:700円×2(一日目ビール500ml)+700円+500円(二日目ビール500ml、350ml)
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