2014/7/6 前川大滝沢

メンバー:I倉 S田 沼T I村 K村 N川 U海 F森 N田 F沢 K沢 S水 W辺(レポート)

7月5日土曜、3台に分乗したメンバー総勢13名は深夜、米沢市峠駅に集合する。ホームを覆うスノーシェルターの中にそれぞれテントを張り、軽く親睦会が開催される。中には2時を過ぎてもまだワインやウィスキーを手放さないメンバーもおり、翌日の体調が懸念される。

しかし、予想に反した好天のおかげもあったか、睡眠不足による疲れを知らないOACメンバーの爽やかな笑顔で朝を迎える。

 

8:15入渓

滑川温泉下の橋そばの駐車スペースまで車で移動し、そこから即入渓。朝から結構暑かったので、アプローチが短いのは助かる。入渓前の1枚。会長の「1たす1はぁ~?」の掛け声で苦笑ぎみのメンバーも。

 

心地よい斜度、しっかりとソールを捉えてくれる岩石で快適な滝を次々と越える。気温が上がって飛沫も気持ちよく、みんな表情は緩い。

 

極上のナメ床が幾度も現れる。他所では「千畳の…」と名がつき、名所になりそうな景観であるが、ここでは当たり前のようにそれを味わうことができる。鉄分の多い水質のせいか、沢床は茶褐色に染められている。

 

快適そのものの遡行中に1枚。前のお二人のポージングが意味するところは…?

 

思い思いにナメや釜を楽しんでいると、突如「あ、あぶな~~い。」とN田氏の気が抜けるような声が。抱えられ、釜に沈められ、今まで上半身を濡らさないように気を遣ってきたみっちゃんの努力は、一瞬で文字通り水の泡となる。そしてそれを見て喜ぶOACメンバー…。

こうして、時々誰かがN田氏の餌食となる。

 

そしてそして…いよいよ…という程時間はかかっていないのだが、この沢のメインディッシュ、大滝が姿を現す。

 

9:10 大滝

これはでかい。100mとも120mとも言われているが、どちらでもよい。とにかく圧倒される存在感。しかも、轟音を立てて落ちる荒ぶった様相ではなく、するするとナメ肌を滑り落ちるような水流が美しく優しい。このお天気に来られたことが本当にラッキー。

ここで、会長から「10分くらい休憩」との号令が出る。

 

しかし。泳ぐは、滝に打たれて修行するメンバーはいるは、「あそこまで上がれるよ。」という魅惑の誘いに猛烈なシャワーの中ではしゃぎまくる大人はいるは…で一番の大休止になってしまった。

 

滝の落ち口を見上げると、青い空に躍動する飛沫。こんな所に自分がいることに感謝しつつ先へ進む。大滝の巻きでは、急登をぐんぐん上がった後にいやらしいトラバースがあり、ロープを張ってもらって越える。滑りたくないなあ、と思っているとそういうイメージに絡み付かれる。私にはイメージトレーニングが重要かもしれない。「滑らない!」と自信を持って足を出せる気持ちの強さを身につけたいものです。

 

へつり困難な釜では泳ぎも。太陽があったのでまだいいが、どっぷり浸かるのはやはりまだ寒い。取り付きも滑るしスタンスも見つかりにくいので、水から出るのに時間がかかると凍える。メンバーの動きを見つめる先輩たちを写真で改めて見る。安全で楽しい山行のために力を尽くしてくださっていることに、本当に感謝します。

 

そしてまた、幾つもの滝を行く。

 

敢えて、快適ではない方を登るメンバーも。あまり発声せず我が道を行く系のI村さん。

 

この落ち口の手前では、直登できそで、でも水量が多くそれは断念し右から巻いたのだが、ロープを張ってもらってもなかなか危なそうな足場のトラバース。それを見たS田さんが、工作し直し、全体重をかけてロープを掴んで行けるようにしてくれた。臨機応変な技術と行動力に見とれる。

 

女性メンバー揃って、F沢さん指導の「モデル立ちで」。様になっている4名と、恥ずかしさからか、どうしてもできないF森さんとW辺。

 

頭上に吊り橋を見ると、その先は巨岩帯になり、一つ一つの岩を越えるのに時間を要する。ボルダーチックな岩越えや苔の多い景観、一気に水温が下がる変化など楽しみは多い。

15:30 遡行終了・登山道に出る

今回、潜滝までは足を延ばさず、樋木沢へと入る。3つほどの滝を越えると登山道と交差する。登山道の入り口は、下を向いていると見逃してしまいそうで要注意。

 

17:20 滑川温泉着

下山は1時間半くらい。途中、足を痛めてしまいゆっくりと下山するメンバーと付き添いのS田さんを待つ間、非情にもN田さん以下2名はビールを飲み始める。先に滑川温泉で身体を温めてきたメンバーに羨望の眼差しを向けながら。

日帰り入浴の時間がとっくに過ぎているにもかかわらず、旅館の方のご厚意で全員入浴できました。ありがとうございます。

今回の沢は、どの滝も、長く広いナメ床も、深緑色の釜も、どこを切り取ってみても素晴らしかった。1日でそれらを味わい、とても贅沢な遡行となった。

13名という経験のない大人数での遡行。梅雨時で水量も多く、過去にこの沢の経験があるメンバーは「いつもより難しかった」と。的確な判断と安全確保をしてくださった先輩たちには本当に感謝します。

 

 

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