2015春合宿 剱岳山スキー山行報告

日程:5月3日(日)~5月6日(水) 4日間
参加メンバー:U海氏(CL)、Y田氏、吉D

5月2日(土)

前夜発で扇沢無料駐車場に深夜到着。予想通り混雑していましたが、空きが無い訳ではなく、上手い具合に駐車スペース+地面が濡れていないテントスペースを確保。

5月3日(日) 天候:晴れ

5時起床で6:30の始発に乗るべく準備を済ませ、扇沢駅で列に並ぶも、もう少しのところで間に合わず。次の7:00発のトローリーバスで黒部ダムへ。扇沢からは①トローリーバス②ケーブルカー③ロープウェイ④トローリーバスと4つの交通機関を乗り継いで室堂に向かいます。

DSCF0099

室堂から周辺、どこでも滑れそう

室堂到着は8:55。始発に乗り損ねたものの、その後は時刻表通り順調にたどり着きました。準備を済ませて9:25、いざ春合宿スキーツアーのスタートです。天気は抜群。室堂周辺はスキーができそうな斜面が至る所に散らばっていて、さすが山スキーのメッカといった雰囲気です。まずは雷鳥沢のキャンプ場付近まで下り基調のためスキーで滑降しますが、3泊4日のテント泊を背負ってのスキー滑降は慣れないうちはなかなかもってバランスが難しく、吉Dはみくりが池手前で早速コケました。コケると立ち上がるのがまた一苦労で、ザックを一度はずしてようやく復帰です。
雷鳥沢までは滑って快適な斜面はあまりなく、夏道ルート脇をプルークや横滑りを多用してただ下るのみ。途中夏道から外れて斜面をトラバースし、テントサイトの東側から回りこむように9:53雷鳥沢キャンプ場到着です。

DSCF0113

雷鳥沢を登ります

雷鳥沢キャンプ場からは別山乗越まで結構まとまった登りですので、ここでシールの準備をして10:15再スタートです。強烈な日差しで暑いくらいの陽気の中、南斜面の雷鳥沢の登りは結構しんどく、重荷が肩に食い込みます。しかし登るにつれて展望が広がり、テント村がどんどん小さくなっていきます。途中で何度か小休止しながら12:35別山乗越に到着。乗越の向こうには剱岳が堂々たる姿でお出迎えです。

DSCF0140

剱岳がお出迎え

昼食を兼ねてしばらく休憩し、後は本日の宿、剣沢キャンプ場まで滑って下るのみ!シールをはがして滑降の準備をし、13:20いよいよ剱岳に向かって贅沢な滑降です。ところが肝心の剣沢の滑降は縦溝がかなり成長していて、残念ながら快適とは言い難いものでした。雪質は腐ったザラメ状なので溝を突き崩して滑っていけるので滑れなくはないのですが。それでも晴天の絶景の中、スキー滑降ができるのですから贅沢は言えません。滑っていくうちに縦溝にも少しずつ慣れてきます。そうこうしている内に13:35剣沢キャンプ場に到着です。

DSCF0143

最高のテントサイト

キャンプ場について早速設営にかかります。今年は雪解けが早く全国的に積雪が少なめのようですが、剱立山も例外ではないようで、なんとキャンプ場の一部は雪が完全に溶け、地面やハイマツが露出していました。その場所にテントが張れそうだったので、何とこの時期にして雪の無い地面の上でテント設営ができてしまいました。竹ペグ不要でした。

剣沢キャンプ場周辺も剣御前や別山の斜面は登ればどこでも自由に滑れるような斜面に囲まれていましたが、例の縦溝のおかげで戦意を喪失し、山を眺めたり、コーヒーを飲んだり、水作りをしたりしながら、まったりと午後の時間を過ごしました。

そして夜には今回の合宿のもう一つのメインイベント、U海シェフのディナータイムです。初日のメニューは、山なのにテントなのに「お寿司」です。キュウリだのカイワレだの大葉だの生野菜もあります。鮭だのツナだのもあり、よく乾燥したのりに酢飯を乗せ、具を乗せ、みんなして手巻きしていただきました。正直、テントでの食事の域を超越しています。「鮭」はあるのに「酒」は無しなのにも驚きです。吉Dは飲めないので全く問題ないのですが、U海さん、何かあったんですか!?

5月4日(月) 天候:曇りのち雨のち暴風雨(未明雪)

本来は剱岳アタックの日でしたが、天候の悪化が予想されるため、本日の行動は長次郎谷出合付近までの偵察のみとすることになりました。(前夜までに決定済)

本格的な朝食は偵察終了後として、軽く食事をして準備を済ませキャンプ場を出ようとすると、何と単独で春合宿に来ていたK原氏に遭遇、すぐ近くでテントを張り1夜を過ごされていました。K原氏は本日八ツ峰下部にアタックし、天気が荒れる前に今夜は雷鳥沢まで非難して泊まる予定とのこと。お互い気をつけてと5:15出発します。

DSCF0153

いざ偵察へ 縦縞ヒドイ

DSCF0184

長次郎谷も登ってみます

天気は曇り。雪は早朝からザラメで滑降には問題ありません。今日も変わらず縦溝はありますが、重荷も無いので昨日と比べるとずいぶん快適です。また斜面を選ぶと縦溝が少ない部分があり、そんなところを狙って滑ります。剣沢上部と比べるとキャンプ場から下の方が比較的縦溝が少ない気がします。武蔵谷出合、平蔵谷出合、源次郎尾根取付とポイントをチェックしつつ滑り降り、5:45長次郎谷出合まで到着しました。ここでシールを付け、少しだけ長次郎谷を登ります。傾斜はそこそこあるものの充分シールで登れる範囲です。前方に熊ノ岩らしきものが見えます。少なくともそこまではシールで行けそうです。雪渓はデブリも少なく、剣沢本谷と比べると縦溝が無く、滑るのは快適そうです。源次郎尾根と八ツ峰に挟まれたロケーションは、まるでヨーロッパアルプスにでも来たかのような風景。こんなところを滑れるなんて。とりあえず偵察なので、出合から標高差100m程度登ったところで終了し、戻ることにします(6:30)。

ほんのちょっと滑った長次郎谷はなかなか滑りやすく、翌日の本チャンが楽しみです。出合からシールを付け直して剣沢キャンプ場まで戻ります。途中から霧雨が降り出し、やはり天気予報通り悪化しているようです。偵察を終えキャンプ場に戻ったのは8:30でした。

改めて朝食を済ませた後は、まさに停滞の1日です。雨は徐々に強くなり、風も出てきます。天気概況からU海リーダーが天気図を作成、寒冷前線通過はどうやら真夜中の12時くらいになりそうです。前線さえ通過してしまえば天気は回復が期待できるため、明日は本チャン決行できそうです。

2日目のディナーはポテトサラダにグリーンカレー、ポテトサラダはマッシュポテトから豆やらコーンやらを入れ、マヨネーズに胡椒を和えた本格的なもの。これまた山の食事を逸脱しています。すっかり美味しくいただいた後は寝るだけなのですが、夜中の嵐はなかなかの凄まじさで、テントが飛ばされるのではと心配になるほどでした。ゴアテックスの高級テントですが、一部浸水も生じました。本当に明日、回復するのでしょうか。

5月5日(火) 天候:晴れ

DSCF0201

長次郎谷のポイント熊ノ岩

嵐が過ぎ去り、どうやら朝から晴れのようです。しかし寒冷前線の通過で気温が下がり、未明には雨が雪に変わったようで、5cm程度積もっています。雪の状態は昨日と打って変ってガチガチに凍っています。凍った縦溝はとても太刀打ちできないということで、長次郎谷出合までアイゼン歩行で下ることに。アイゼンを装着し、スキーをトラーゲンして4:40出発です。朝からいきなりしんどいなと思ったのですが、やはり下りは歩くのでも楽でした。思いのほか順調に長次郎谷出合に到着し、スキー登行に切り替えて、6:15いよいよ長次郎谷を登り始めます。

DSCF0200

熊ノ岩付近から見た八ツ峰

昨日も見た風景ですが、やはり晴れていると絶景が更に際立ちます。雪渓の中をジグザグを切りながら景色を楽しみながら登っていきます。雪はまだ硬くアイスバーン状のため、クトーの無いY田さんはちょっと辛そうです。しかしエッジを器用に使って登っていきます。

8:45熊ノ岩に到着。まさに別天地のような、絶景に囲まれたポイントです。五六のコル付近の八ツ峰は見事なほどの針峰群、一方の源次郎はゴツゴツとした無骨な岩稜といった感じです。ここからは左俣をつめて長次郎のコルを目指します。

DSCF0221

熊ノ岩から上は傾斜が強まります

熊ノ岩を過ぎるとさすがに傾斜がきつくなってきます。左には源次郎2峰の懸垂ポイントが良く見えます。Y田さんは途中でスキー登行を断念。なんとトラーゲンせず、スキーをデポしてツボ足登行します。コル近くになるとあちらこちらにクラックが出てきます。気温も上昇し、雪はすっかり緩んできましたが、その分暑さが堪えます。ザラメの急斜面をズリ落ちないよう注意して登り詰め、11:45ようやく長次郎のコルに到着です。

DSCF0232

撤退中

コルからはアイゼン&ピッケルに履き替え、ロープと登攀用具を身に付けて剱岳本峰にアタックです。が、2ピッチ目から先が中間支点がなく、雪の状況、斜面も厳しいため、頂上目前にして撤退を決定。吉Dとしては今回は滑降メインで剱登頂はこだわっていなかったので、そそくさとコルに戻ります。

DSCF0241

いよいよドロップダウン

DSCF0247

気分爽快!

DSCF0257

こんな絶景の中を滑ってきました

小休止の後準備を整え、14:00いよいよメインイベントの長次郎谷滑降です。滑り出しのクラックを避けつつフォールラインに向かいます。傾斜はコル直下もさほどきつくなく、最大で45度程度でしょうか。雪はもう完全にザラメです。やや重たいものの、縦溝が無いのでなかなか快適です。どんどん滑るとあっという間に終わってしまうので、細かく止まりながら滑り降りますが、それでも出合まで30分程度で滑り降りてしまいました。しかし、これだけの絶景の中、これだけ快適な滑りができたのですから大満足です。余韻を味わいつつシールを装着し、キャンプ場まで剣沢を登り返します。キャンプ場に戻ったのは16:30。日没までのわずかな時間で湿ったシュラフを干したり、シールを乾かしたりします。

3日目のディナーは仙台麩の入ったアホスープと炊き込みご飯。仙台麩がまた肉のような食感で食べ応えありでした。U海リーダーが保存状態を気にしていた要冷蔵ベーコンですが、全く気にせず美味しくいただきました。最終日も大満足のディナーを満腹いただき、嵐の無い静かな夜を過ごしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

56個月(水) 天候:晴れ

いよいよ最終日。住み慣れた我が家を解体し、パッキングを済ませて6:00剣沢キャンプ場を出発です。行きと比べて減っているはずの荷物ですが、なぜかそれがあまり感じられないのはなぜ?朝のひと登りで別山乗越まで正味1時間。慣れ親しんだ剣沢の風景に別れを告げて立山エリアに戻ってきました。

DSCF0289

雷鳥沢を下る

本日最初の滑降は雷鳥沢です。縦縞がひどい斜面ですが、斜面を選んで縞の少ないところを選んで滑ります。おかげでずいぶん縦縞滑りにも慣れました!?最後はできるだけ登り返しが少ないよう、大走り方面に大きく回りこんで、7:50雷鳥沢キャンプ場に到着です。

DSCF0302

一ノ越へは雪上車の道が

雷鳥沢キャンプ場からは雪上車で作られた道を辿って室堂山荘まで割と楽チンな登りです。室堂山荘では水筒に無料で水を分けていただきました。感謝。室堂山荘からは一ノ越まで最後の登りです。さすが立山、スキーヤーや登山者が列を成して一ノ越まで登って行きます。

10:15一ノ越到着。横並ぶ後立山連峰に黒部湖まで見下ろせる風景は今までと違ったところまでやってきたと感じさせる新鮮なものでした。そして一ノ越から広がる御山谷の斜面は見た感じものすごくいい感じです。ちょっと早めのお昼という感じで長めに休憩した後、本日最後、そして今ツアー最後の滑降にかかります。

DSCF0322

御山谷のナイスな斜面

10:40いよいよ滑降開始です。思ったとおり絶好の斜面です。もしかしたら今回のツアーで一番の快適斜面かも。しかし、あまり調子に乗って滑りすぎてはいけません。我々は御山谷をそのまま下らず、途中から東一ノ越を越えてタンボ平に行くのです。見ると東一ノ越への一般ルートが斜面をトラバースして付いています。ここは雪が付いていないのでスキーを脱いでしばらくツボ足歩行です。11:00にトラバース道に入り、30分ほど歩いて東一ノ越に到着です。

DSCF0346

最後の斜面、タンボ平

ここもまた竜王岳から鬼岳・獅子岳と連なる立山から薬師岳への縦走路を後に、前には黒部湖を前に鹿島槍や針ノ木岳といった後立山連峰が絶景を展開します。そして今度こそ最後の滑降斜面、タンボ平です。タンボ平は前半トラバース気味ですがロープウェイを頭上に見ながらの大斜面の滑降で、雪は重たいもののそこそこ滑りやすく、最後の仕上げとしてはなかなか滑り甲斐のある斜面でした。最後はロープウェイの黒部平駅までツボ足で登り返して、12:15中国人観光客で溢れかえる駅前の展望台に到着。長かったツアーが終了しました。

ケーブルカー、トローリーバスを乗り継ぎ、扇沢に到着。4日間の垢を大町温泉薬師の湯で洗い流し、ダムカレーを食して帰宅の途につきました。風呂上りにノンアルコールビールを召し上がったU海リーダーは「やっぱりビールとは違う」と一言。いろいろあった4日間でしたが、雨は4日のみで他は見事な晴天に恵まれ、充実のスキーツアーが満喫できました。これもU海リーダーとY田氏のおかげです。ありがとうございました。

此項目被張貼在 爬坡報告. 書籤 一篇.