2015/8/7-9 バリエーション初心者の剱岳源次郎尾根

日程:8月7日から8月9日 ( 剱沢のテン場に二泊、最終日は立山三山縦走)
参加者:Y朗(L)、K子(記)

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私はバリエーションルートというものに特段心ひかれず、山は一般道を登り、高山植物をきれいと感じ、季節に応じた山の色合いを楽しむだけで充分満足と感じる山人生を送ってきた。
それが、今回、源次郎尾根を登り、登山人生20年にして初めて「山に」登ったのではなく、「山を」登ったという感触を得た、そんな山行でした。*私の文章では違いはわかってもらえないと思いますが、思い出を留める目的で書きます!

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旦那様(Y朗)と久々に2泊3日で山に行けることが決まり、旦那様が選んだルートは、
「剱岳源次郎尾根バリエーション」。
バリエーションと聞いただけで、よく知らないのもあるが、私の力量で行けると思わないし、正直、あまり行きたくない。普通の山が良いと思い、小出しに行きたくないアピールをする。
K子 「私に行けるの?無理じゃないかな?」
Y朗 「行けるよ。別山尾根より難しくない。懸垂下降あるが練習すれば大丈夫!」
K子 「手が痛いから、岩登りは無理と思う。」
Y朗 「岩登りというよりは体力勝負だよ。」 とこんな問答が続き、旦那様は全く行き先を変える気がない、こりゃあ行かねばならないと感じ、行くことを決意する。

バリエーションに行くと決めたからには、自らルートファインディングをしなければ行く意味がないと思い、あたりまえだが、何冊かの本でルートを確認。ヤマレコで感想や留意点を確認。もちろん旦那様が以前書いた山行レポートを熟読。公園のアスレチック遊技を利用して、懸垂下降の練習もし、当日に備える。

8月7日立山駅を7:00に出発し、室堂に入る。
雷鳥平から大好きなチングルマがいっぱい咲いてる新室堂乗越のルートをたどり、剱御前小屋に到着。

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そして、剱沢のテン場に着いたのは11:30。
そこそこテントが張られていたが金曜のせいか、空いてる印象。
昼食に旦那様にラーメンを作ってもらった。おいしいと思うのにいまいち喉を通らない。
あ~既に明日への緊張が始まる。ビール飲みたいが、高山病になったらイヤなので、今日はやめておく。その代わりほんの少しだけ持ってきたワインを口にした。この少しのワインで気持ちがリラックスしたのか、緊張して眠れないどころか、熟睡し、朝を迎える。

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8月8日、3時前、出発する人の足音で目が覚める。風もなく、穏やかな朝。

DSCF19404:15、ヘルメットにヘッデン、ハーネスも付けて、いざ出発。剱沢の雪渓に行きつき、軽アイゼンを付けて、源次郎尾根の取り付きまで下っていく。雪渓はカチカチという感じはないが、アイゼンあったほうが断然スピードも速い。
前後にパーティはいない模様で、すでに山と私達二人の世界だと感じる。

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取付きに到着、5時いよいよ尾根ルートを登り始める。

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事前の調べでは、最初のほうに核心の岩が存在すると知っていた。登って5分しないうちに岩が現れた。大きく丸っこい岩で、岩自体に足の置き場はなく、難しいというより、体が重い私は乗り越えるのが大変。やむなく、ついてる短いロープを持ち、壁に足を広げて登る。
こんな時点で難儀では、この先が不安になる・・・。

その岩を登ると、小岩の続くまっすぐな道とロープがついてる木の中の道に分かれた。木の道を進むが、これが ”木の根地獄”か!。すぐに踏み跡がなく、木を掻き分けて進む。
これいつまで続くの~、こういう道なき道を進むのがバリエーションなのね!と思いながら進んで行くが、エスケープルートだったらしく、途中から、木の根地獄の正ルートに戻った。あんな道が続いたら、木の枝で傷だらけになると思っていたので安心する。

木の根地獄が終わりかけたあたりに、これまた核心と皆がいう岩に到着した。
でも、難なく通り過ぎ、「意外と大丈夫!」って思ってたら、その先に本当の核心の岩が現れた。
最初に登った岩より大きな丸っこい岩で、岩には手掛かり、足の置き場はない。しかもツルツル滑る岩で、しかも、岩の下は切れ落ちた崖になっている。
ちょっと登ってみるが、全く登れる感じがしない。
旦那様にヌンチャクをかけてもらい、ヌンチャクに手をかけつつ、第一歩をつま先で立ち上がったら、いきなり滑った。心臓ひやっとした。そこからどうしてよいかわからなく、大パニックになる。

そこで旦那様からの冷静なアドバイスに我を取り戻し、気持ちを集中し、よじ登る。
必死っていうのはこういうことをいうのかというくらい、登ることに集中した。
登り終わった後の安堵と高揚感は、なんとも言えない気持ちよいものだった。
一方、岩慣れしていないことを痛感し、足の使い方がダメなのだろうと課題を認識した。

その後、第二の核心が現れた。尾根ルートとルンゼルートの合流点。
なんでもない登りだが、進む都度、岩が崩れ、足が滑り、落ちたら死ぬかもと思うと緊張した。岩を落とさないようにゆっくり、慎重に進んだ。ルンゼルートから登る人の気がしれないと思った。
そこから先は登山道をひたすらひたすら一峰に向け歩き続ける。既に精神的にへとへと。

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DSCF1947んとか一峰に7:30到着。しばし休憩。
旦那様は一峰からの景色が素晴らしいというが、私はここまで気持ちが張り詰めすぎていたのか、景色を楽しむ余裕があまりなかった。

登っている人見えるかな

登っている人見えるかな

そして、二峰に目を向けると、先行パーティが見えた。

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一峰から二峰へは、せっかく登ったのに鞍部に下りないといけない。でも、鞍部までの下りから、二峰まで意外と近かった。
8:20二峰に到着。

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DSCF1963気持ちに余裕が出てきたのか、二峰からの景色を満喫する。源次郎尾根は別山尾根、八ッ峰に囲われた位置にあるからか、そこにいると剱に抱かれているような気分になった。
うまく表現できないが、「いま、私は剱の真っ只中にいる。」 ここでは、山と私達だけで、誰にもじゃまされないと思うと、剱をひとり占めしているような気分だった。

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既に達成感みなぎるなか、二峰では、初心者にとっては源次郎最大のイベントである30メートルの懸垂下降が待っていた。
下降点に着くと、先行パーティ6名のうち、3人目が下降しようとしていた。大学1年生のパーティとのことで、指導者の先生らしき二人がフォローしていた。
先生が、「ごめんね~大学1年生だからちょっと時間かかるかも。」と言われ、
「私も初心者です、ごゆっくり!」と返答する。

結局30分ぐらい待ったかと思う。
自分としては懸垂下降はあまり心配していなかった。ちょっと楽しみぐらいであった。
でもふと下を覗いたら、自分が思っていたより、下降距離が長いのを知り、それから怖くなる・・・。

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旦那様が難なく先に降りて行った。

28DSC_3767いよいよ私の番。
あたりまえだが、懸垂下降のセットをチェックしてくれる人はいないので、セルフかけて、ロープ引っ張って、足で押さえて、それからセットして、と一つ一つ指差し確認して準備する。
いざ下降しようと思うが、岩に向かって体を垂直に出来ず、もたもたしてしまった。おそらく降りて行く姿は、相当格好悪かったと思う。

17DSC_3773そして、下降中、怖くて全く下を見れず、旦那様のあと5メートルの声を聞いて、あともう少し、もう少しと言い聞かし、地べたに立ったときにはほっとした。
怖かったが楽しかった!!
ちなみに50mロープでは最下段のテラスまでしか届かないのでちょっとだけクライムダウンした。

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懸垂下降後はコースタイムでは2時間の本峰までの地味な登山道を登るとなっていたが、言うほど地味には感じられず、お花もそこそこ咲いている安心な道だった。
頂上直下は岩の道を登っていくが、さほどしんどくない。

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20DSC_3783頂上到着10:30。
頂上には別山尾根を登ってきた登山者が10名ぐらいいた。心の中で私は皆とは違う 『源次郎尾根』 を登ってきたのよと優越感にひたっていた。
また、懸垂下降地点で会った先行パーティの先生から、「お疲れ様。懸垂下降上手に降りてましたよ。」と言われ、ちょっとうれしくなる。お世辞だけどね。

ただ、剱岳の頂上自体にあまり感動はなかった。2度目だからなのかと思ったが、恐らく、源次郎を登って、途中の行程一つ一つに満足感があったからではないのかと思いました。

あ~、後は下るだけね~と楽に考えていたが、別山尾根の下りのほうがよっぽど怖いかも。カニの横ばい前後がなにげに怖かった。また、前剱、一服剱へは帰り道なのに登りがあるし、お昼過ぎの日差しを受け、下りは暑くてしんどかった。

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剣山荘から剱沢テンバまでの道は数ヶ所雪渓を渡るが、チングルマがいっぱい咲いていて、山、雪渓、花に囲まれた場所はまさに天国のようだった。
そして更なる天国へ。

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昨日から、下山したら剱沢小屋でビールを飲むと決めていた。冷えたビールの苦味が喉を通った瞬間、美味すぎて、なんて幸せなんだろう~と思った。

そして、いつも私を成長に導いてくれる旦那様には本当に感謝。彼には目指す山にすべて登ってもらいたいと心から思う。いつもありがとう。

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8月9日、またまた快晴。

朝のテン場で恐らく山岳警備隊の新入部員か何かのグループが、全員で剱岳に向かって、隊歌のような歌をうたっていた。こんなの初めてだからか、山男たちの歌に感動した。

三日目は、もうそのまま室堂に帰りたかったが、晴れてるから、いやいやながら3回目の立山三山縦走をした。

山よ、ありがとう~

山よ、ありがとう~

雄山には、観光客があふれ、一の越までの道は大渋滞となっていた。見渡せば室堂からこちらに向かう道には、観光客がうじゃうじゃしていた。
いつもならうざいと思うが、こんな天気の良い日に、立山の素晴らしい自然に接して、この中から山を好きになってくれる人が一人でも増えたら良いな~と思ったりした。

終わり

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