2015/8/22-28 北海道山旅第2弾(十勝岳、アポイ岳)

メンバー : K子
場  所 : 「十勝岳」 と 日高の「アポイ岳」

黒ラベル北海道限定版。これうまいです。

黒ラベル北海道限定版。うまいです。

 

山行レポートの出だしに、こんなこと書いたら怒られるかもしれないが、私は、「山登り」よりも「旅」が好き。とりわけ、「裸の大将放浪記」に憧れ、一人旅をしてきた。
特に、北海道は大好きな場所である。

今回の旅では、旦那様を誘ったが、興味がないと断られたのでやむなく、やむな~く一人で旅をしながら、山に登ろうと決めた。

 

 

 

第一幕 : 天国と地獄の山?!

8/22(土)
旭川空港からレンタカーを借りて、美馬牛・美瑛・富良野を観光。
ここは誰が写真を撮っても、それなりに絵になる風景が切り取れる。

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その後、明日の下見に、十勝岳温泉登山口(標高1280m)に向かう。
十勝岳温泉は、大学2年生の時に親友と北海道で初めて泊まった宿があり、人生初の混浴に入り、おやじにお尻を見られてしまったことだけが記憶にある温泉だった。
明日はここの登山口からピストンで 『十勝岳』 に登る。

本来、このコースではなく、望岳台からの最短ルートで行きたかった。
*そんなに山が好きでないので大抵一人で登るときは、一番時間の短いルートを選ぶ。
望岳台からのルートは、十勝岳の噴火警戒レベル2を受け、ルート一部が規制対象区域にあった。山岳会に入っていて、規制対象区域を通る計画など立ててはいけないと、十勝岳温泉からの往復8時間コースにした。
この時は、「なんで遠回りしないといけないの~」という思いが強かった。

今宵の宿は『白金温泉』のホテル。山を下った標高約650mに位置する。

8/23(日)
5時、ホテル付近はかなりガスガス。
フロントの従業員に、「今日は、山は曇りですかね?」と聞いたら、
「山の上は晴れてることもあるから、行ってみたら。」と言われ、車を走らせる。
言葉どおり、登山口では山の上が晴れているのが見える。うれしい!

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6:10登山口を出発。
山が迎えてくれてるように感じる。

 

安政火口方面から陽が登る。 しばらく火口周辺の緑のない登山道が続く。

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なんとも殺風景な山だなあと思っていたら、道が反対側に折れ曲がるようになったところで、眼前に、緑色の風景が飛び込んできた 『富良野岳』 である。
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十勝岳は火山の山というイメージで、
行程中、こんな緑ゆたかな光景を見るとは思っていなかった。ちょっとワクワクしてきた。

 

 

 

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と思っていたら、尾根に出ると、
また火口付近の風景が飛び込んでくる。
このあたりから、
『緑の天国』 と 『火口の地獄』
の山だなあと感じてくる。

 

 

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上富良野岳到着。ここから縦走!
写真右側の山は、上ホロカメトック山。
その奥に尖がって見えるのが十勝岳。

 

 

 

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上ホロカメトック山からの十勝岳。
左側火口沿いの崖っぷちが縦走路。

写真ではわかりませんが、火口から吹き上げる風は強く、緑側からの風は心地よくて、ますます左は地獄、右は天国だ~とか思って登っていました。
*写真の避難小屋がわかるかな。
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十勝岳の登り口に到着。
火山岩がごろごろしているが歩きやすい。

 

 

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振り返ると、こんな風景が広がっていた。十勝岳の縦走路は大きなアップダウンなく快適でとっても楽しかった。
一方、最短コースである望岳台からの最後の登りは砂走りのような道でしんどいらしい。
噴火規制のおかげと言ってはいけないが、十勝岳温泉コースを選んだのは大正解だった!

 

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10時、頂上到着。
雲海がきれいで1時間程のんびりしてしまった。すぐ後の山は美瑛岳。
その先の先には、
憧れの『トムラウシ』が見えるか見えないか・・・
次は、縦走でトムラウシに行きたいな・・

 

復路は、避難小屋を経由して、イワギキョウのお花畑を見に行く。
既に花の盛りは過ぎているが、それなりに群生してて、花好きとしてはたまらなかった。
ここは天国~!

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そんなこんなで、登山口に戻ったのは2時半。
今宵の宿は、美瑛の新栄の丘近くにある。

19DSC_3993新栄の丘にて夕日を見つつ、反対側の山を見渡したら、山は左の写真のとおり厚い雲のなか。今日の下界は、雨交じりの天気で、山の上だけが晴れていたようだ。

昨年の羅臼岳と斜里岳の天気がいまいちだった分、今年は神様が晴れた山を歩かせてくれたのかと思いました!

 

とりあえず、ここまで第一幕終わり。

 

第二幕 : 念願のアポイ岳で、何を感じたか。

8/24(月)
今日は、美瑛から襟裳岬を経由し、アポイ岳の麓の町、様似町への移動日。約280kmの運転。ちなみにアポイの麓は、Y田さんの故郷です。

途中の寄り道1 : しあわせ目指して!(山には全く関係ありませんが)

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昔、流行った「愛の国から幸福へ」の幸福駅に寄ってきました。 国鉄旧広尾線(廃線)の駅です。

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途中の寄り道2 : 山が太平洋に消える風景

襟裳岬に立ち寄りました。
襟裳岬は、日本でも有数の風の強い場所で有名な岬です。
それよりも、森進一の演歌で有名かもしれないですね。

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またまた山に関係ない報告をしいていると思われるかもしれませんが、襟裳岬は、日高山脈の先端に位置し、その先端から約2キロに渡り岩礁帯が続き、日高山脈がそのまま海に続いているという、非常に山に関係の深い場所です
私はこの山が海に消えていくという風景を見てみたかった。曇り空で、風も強かったですが、なんか去りがたく、1時間位居てしまった。

今宵は、アポイ岳麓の駐車場で車中泊のつもりでしたが、運転が長かったのもあって、かなり疲れているのを感じ、急遽、麓の旅館『アポイ山荘』に宿泊しました。

アポイ岳は、標高810m。特殊な土壌と夏の海霧による冷涼な気候のため、低い標高でも数多くの高山植物が咲き、固有種も多いなど、「花の百名山」として有名な山です。
時期外れではありましたが、花の名山に登りたいと、これまた念願でした。

夜に、Y田さんから故郷の山である『アポイ岳』の熊情報のメールが入る。当たり前のように熊がいるという情報にびびりつつも、なにかエールを贈られたようで、登るのが楽しみになってくる。

 

8/25(火)
昨日の曇天から、今日は雲ひとつない快晴。
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アポイ山荘のお部屋から、
アポイ岳から朝陽が昇るのが見えた。

 

 

 

登山開始6時40分。
先行者は6時に出発した2名のみで、時期はずれの平日だから後続が来る気配がない。
(花の最盛期は行列になるとのこと)

26DSC_4031  ここから、熊を恐れながらの登山が開始される。

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途中の道にも熊避け鐘が何箇所か設置されていた。
Y田さん情報どおり、熊が多いんだということをリアルに感じさせる。
怖くて、熊鈴を手に持ち、ずっと鳴らしながら歩いてきたが、そこでふと気付いたことがあった。
自分の鳴らす熊鈴が、自然の音を掻き消していることに気付いた。
せっかく一人で、自然の中を歩いているのに、私の音に鹿が驚き、せっかく出てきたリスも驚き、鳥の声や沢のせせらぎの音が消されてしまっていた。
「私って、自然を楽しめているのか」と複雑な気持ちになった・・・。
また、変な鐘を鳴らして、エリアに踏み込み、自然のじゃまをしている存在であることも認識した。
これからも山に入らせてもらっていることを自覚して登らないといけないと思いました。

28DSC_4130Y田さんからの情報では
5合目付近に熊が多いとのこと、そこには避難小屋があり、アポイ岳への稜線が見えてきた。
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8合目付近まで上がってきた。
アポイ岳から吉田岳、ピンネシリ岳へ続く縦走路が気持ち良さそうだった。
その奥には、日高の山脈が見渡せた。

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登山道を振り返ると、海が見渡せた。
風が気持ちいい。

 

 

 

32DSC_406831DSC_40669時、頂上に到着。
先行者に写真を撮ってもらった。埼玉から来た御夫婦で明日は神威岳に登るとのこと。山の選択が熟練者であることを感じさせた。

頂上は展望がなく、なんとなく物足りなさを感じた。
そこで、名前が気に入り、往復2時間の隣の山、『吉田岳』まで縦走してみることにした。一般道だし、地図もある。天候も安定しているので進むことにした。でも、計画に無かったので、Y田さんと旦那様にメールを入れた。
マダニがいるかもしれない笹の道を行かなければならないのが一番不安だった。

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吉田岳方面縦走路

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アポイ岳方面を振り返り

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途中、固有種「アポイアズマギク」発見か?!
でも、咲く時期は違うのだが・・
固有種「ヒダカソウ」は絶滅の危機に瀕しているため、ヒダカソウが咲いている場所への登山道は閉鎖されていた。

 

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10時、吉田岳に到着。
その途端、『ぶよ』の大襲撃にあった。
その数がどんどん増えてくる。
たまらず写真だけ撮って、速攻戻ることにする。でも、久々の獲物と思ったのか、しつこく付き纏われた。
左の写真の黒の点々は、『ぶよ』なんです。

 

 

登山口に戻ったのは、12時30分。
マダニが付いていないか、アポイ山荘でお風呂に入って確認。
お昼食べてたら、あっという間に15時前になってしまったので、今日はニセコに向かうのをやめて、日高で泊まることにした。

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そして、宿にはゆっくり向かえばよくなったので、
また襟裳岬に行ってしまった。
襟裳岬がえらく気に入ってしまった。

晴れていても風は強い。
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宿に向かう途中、山には関係ないが、素敵な光景を目にした。
親子岩(左の写真)の海岸で、戯れる親子と落陽の様子です。
この日のエンディングとしては、最高の光景でした。

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Y田さんの故郷は素敵な自然が残る、良いところだと思いました。
自然を大切にしていかないとですね。

長くてすみません、やっとこさ第二幕終わり。

 

番外編 : その他もろもろ  *登山には関係ないです。

三つ目の山である「羊蹄山」は天気が良くないので諦め、観光・食に気持ちが向く。

8/26(水)
日高から、札幌、小樽を通って、積丹に向かう。
高速道路であっという間に着きました(とは言っても3時間かかりましたが)。

45DSC_4178積丹は、『うに』が有名!
今週で漁が終わるという『うに』を食す!

北海道で食べるこの旬の『うに』は
東京で食べる『うに』とは味が全く、全く違う。
「うまい、は~」とため息がでるおいしさです。

 

 

8/27(木)
ニセコで懐かしい人に会いに行く。
私は、18年前の冬に、当時、網走駅にあった『麗門亭(れもんてい)』という、列車を待つ旅人には有名な喫茶店に1週間だけバイトしに行ったことがあった。
そのオーナー夫婦は、今は、ニセコで 『hourglass』 という喫茶店兼宿をやっていて、この人たちに会うのも旅の目的の一つであった。
連絡もせずに突然訪れたからか、かなりびっくりしていた。

オーナーのトムさん。

オーナーのトムさん。

 

 

 

 

 

 

仕込みに時間かけてます。

仕込みに時間かけてます。

当時の話しをつつ、
喫茶店の名物料理だった『カレー』を食す。
ちょっと味を変えたと言っていたがベースは変わらず、懐かしく、とてもおいしかった。

 

 

 


最後に

今回は、山登りもそうですが、長距離の運転もあり、安全を意識して行って来ました。山だけでなく、様々な光景、おいしい食べ物にも出会い、有意義な時間を過ごし、大切な思い出となりました。
一人で旅すると、一つ一つのことに一人で向き合うからか、考えたり、感じることも多くて、心がちょっと豊かになったような気がします。

そして、旅の途中思ったのは安堵できる帰る場所があるから、旅に出たくなるのかなと・・。
信頼して山、旅に行かせてくれる家族や気にかけてくれる人がいることを認識して、責任持って行程を楽しまないといけないなあと思いました。

長くなりましたが、終わります。

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