大宮アルパインクラブ
DATA CONTENTS
日付 2009/5/30(土)〜31(日)
宿泊 前夜泊+1泊2日(テント)
天気 曇り→風雨→土砂降り
メンバー 横田川(L)・ちえ(2名)
歩行時間 行:10時間  帰:4時間
アクセス 浦和→関越→松本IC→新穂高ロープウェイ乗り場 →槍平→飛騨乗越 (復路はこの逆)
報告者【ちえ】
5月30日(土)
新穂高ロープウェイ口(6:00)ー白出出合(8:30)ー滝谷(9:40)−槍平(11:00)−飛騨乗越(2:10)ーテント発(3:05)ー槍ヶ岳山頂(3:40)−テント(4:30)
 2週間前断念した槍ヶ岳登頂のリベンジ。天気が悪いこともわかっていたし、先週の奥穂・前穂のハードな緊張と疲れから気持ちと足の状態が回復しきっていなかったが、自分で決めた目標達成のために意地でも登ると決めていた。前回の経験からもう少し早く発てばその日のうちに登頂可能なことがわかっていたので、今回は1時間だけ早く出発。青空ものぞく天気は悪くない。とうとう神様も根負けしたかな?などとホクホク顔で(でも内心びくびくしながら)記憶に新しい道をたどる。 前回よりもだいぶ雪も消えて夏道が出ている分ルートもより直接的で時間短縮になり、コースタイムもアップ。滝谷では前回なかった徒渉がでていたが槍平までもあっという間。退屈な飛騨沢雪渓もこつこつこなして飛騨乗越到着が2時ちょっとすぎ。夏だと槍平から5時間かかるという。 飛騨沢途中からついに降り出した雨だったが、乗越にテントを建てるときには一瞬真っ青な空がのぞいた。チャンス!とばかりに間近に迫る大槍をカメラに収める・・・といいたいところだが、リーダーがカメラをお忘れになったので、非防水のわがケイタイに頼るのみ。 テントの中に荷物を放り込んで空身でいざ槍へ! 初めて見る槍ヶ岳山荘、そこからの槍沢のながめ。名高い各小屋の屋根が雪に埋もれている。今まで何度か遠くから眺めてはタメ息をついていたその場所に、今いるのだと思うと感慨深い。 登り始めた槍ヶ岳は登りやすくて楽しくてウハウハしてしまう。ああ、これが噂のハシゴかー!と感激しながら直下の垂直の最後の一段を乗り越えたときはジンとしてしまった。頂上は雨に煙り、残念ながら視界はゼロだったけれど、とうとう来たんだという思いだけで十分だった。リーダーと固く握手をして、残雪の北ア3山という大それた目標を手伝ってくださった感謝をこめた。誰もいない大槍をしばし独占して降りたあと、槍ヶ岳山荘によってビールを買おうとリーダーがいう(あれ?リーダー、お酒弱いんじゃ???)せっかくだからお祝いしようとのお心遣いがありがたい。ところがこれがいけなかった。3000mの高場で、前夜2時間睡眠の上、すきっ腹で疲れたところに飲めないアルコールと来たもので、リーダーはテントの中で頭を抱えて「気持ちがわるい・・・」とひっくり返ってしまった。心配しながらも私もあっという間に酔いが回ってウトウトしてくる。調理中のコッヘルを握る手がぶれる。危ない危ない・・・。ご飯をたべるのも面倒くさかったが、塩がきつすぎた粕汁をなんとか押し込んでそそくさとシュラフにもぐりこむ。もう明日は下るだけ。好きなだけ寝られるという安心感も手伝い、降りしきる結露もかまわずすぐに爆睡。
5月31日(日)
テント(8:05)−槍平(9:00)−滝谷(10:00)ー白出沢(11:00)−車にひろわれるー新穂高ロープウェイ(11:45)
  昨日テントに戻ったときから激しくなった雨風はますます募り、夜通しすごい音をたてて荒れ狂う。何度も目が覚めたが、おきだしても相変わらず。今日もまた濡れ鼠の帰り道決定。飛騨沢をシリセードでガンガン降りると、なんと登り2時間かかったところを10分で降りてしまった。 怖いのは徒渉だ。案の定滝谷と白出沢が増水していた。あと1時間遅かったら渡れなかったとリーダーがいう。白出沢に先についた私がうろうろしていると1台の車が対岸の道路に。ここは一般車は入れないはずだから、レンジャーの人か何かが増水のチェックに来たのだろう。追いついたリーダーと共に徒渉後言葉を交わしていると、「車、乗って行きますか?」と思いもかけないラッキーなお言葉。ここから先はだるい林道歩きだ。多いに感謝しつつ荷室に乗り込む。ロープウェイ近くのゲートまで乗せてもらい、厚くお礼を述べる。実は私が先になったのはリーダーが今ブームのおいしい山菜をゲットしていたからだ。荷室で「お礼にすこし分けたら?」などといっていたが、そうしないでよかった。なぜならこの方々は自然を守るNPOの方々だったのである・・・。 てなわけで、無事目標達成。先週奥穂・前穂を共に歩いてくださった福原さん、そしてリーダーありがとうございました。(余談だが、さすがに3週目には筋肉痛もでなかった。)
リベンジ槍
一瞬の晴れ間の大槍
リベンジ槍
滝谷