大宮アルパインクラブ
DATA CONTENTS
日付 8月15日(土)
宿泊 テント
天気 快晴
メンバー 石倉、大竹、小川、洞谷、N美っち、のりさん、みどりさん
歩行時間

6:45 テント出発−7:40 R1 南稜モレーン下 7:50−8:45 R2東稜稜線(ハーネス着装) 8:55−9:45  大竹さんザイルを掛け始める−全員通過 − 10:00 R3 懸垂下コル−10:35 山頂−  大休止 −11:20 下山開始(県警等の話やカメラを眺めてたので時間が???)−12:48  テント着

アクセス
報告者【のりさん

OACの夏合宿の3日目も素晴らしい朝を迎えた。本日は、全員で北穂の東稜へ目指す日である。本日の予定では、時間的な余裕があるので、比較的にゆっくりの出発とした。既に、村上さん達の北尾根パーティーは早朝3時頃起床し、出発していった。(昨夜、9時頃に村上、菅野、福原の屏風岩チームはテン場に帰着した模様で、女性人二名が応対した模様である。男性人は一度起されたが、私も含め夢の中であった。)起床後、モーニングティーを楽しんでいると、大竹さんが5テンより朝食を運んでくれて、申し訳無く思う。朝食のメニューは食当の計画通りに、昨日用意のご飯を雑煮にぶち込んで、雑煮おじやをまだ起きていない胃へ押し込んだ。テントを出発し涸沢小屋の右から、先日奥穂から北穂の縦走で下りに使った、北穂南稜のルートを再び逆走して登って行く。東稜に目を向けると、既に、ゴジラの背の辺りに朝日を背景にして、先行パーティーが取り掛かっている。石倉さんの話では、浦和渓稜のパーティーだそうである。本日中に徳沢まで下るそうである。南稜から東稜へのルートを取るには、南稜の鎖場の少し手前の、岩がごろごろしたモレーン帯を横切るところから始まる。トップの大竹さんがバランス良く岩から岩へピョンピョンと飛び跳ねてスムースに取り付きへ進んで行く。モレーン帯を渡り切り、東稜への取り付き、ガレ場の登りの所で全員ヘルメットを付け、急なガレ場を登って行く。落石の出やすいアプローチである。足元から、ガレが崩れてゆくので慎重に登る。最後の急なガリーを詰めて、稜線に出ると、尾根の反対側からはキレットから槍への稜線が顔を出す。背後には、前穂の北尾根のスカイラインが綺麗に浮かんでいる。絶好のシャッターチャンスである。ここで、ハーネスを付けて登攀の準備をする。我々とは反対側(北穂池の方から)から2人が登って着た。核心部のゴジラの背へ向けては稜線の右側から大岩帯を攀じ登った。スカイラインの向こう側はスッパリと切れ落ちていた。コースは高度感のあるアルパインの世界へと突入して行く。稜線に出て直ぐに、両側が懸崖となったナイフリッジの状況となったがアンザイレン無しに進む。北穂池が右下に小さく見える。雪渓の下に、大小3個くらいの池が見える。ルートはいよいよ、垂直の3mの壁に行く手を阻まれ、ゴジラの背の取り付きのビレー点に付く。此処でザイルを出す。正面の取り付きの支点にザイルをセットし、石倉会長のビレーで大竹さんがリードし、固定ザイルを伸ばして行く。姿が見えなくなり、暫く後、コールがあり、固定ロープのセットが完了した。セカンドからはプルージックでザイルに絡め、二番手に小川さん、石倉会長、洞谷さん、みどりさん、のりさんが順に続き、最後に小暮さんがザイル及びランニングを回収しながら追ってきた。本来、ラストは私役目であった、小暮さんにお願いしてしまった。ありがとうございます。核心部は最初の壁を左側のラインから頂稜のラインに出て、右側へ乗り越してテラスにでる。このテラスは10m位有り、その先のナイフリッジは北穂池側に体を乗り出して、頂稜のラインを手で掴みながらトラバースして行く。核心部は直ぐに1ピッチで終わり、確保点に集合する。そこから、15m位進むと懸垂下降点である。我々は此処は簡単そうなのでクライムダウンで下る。下降点経ずに、左からルート巻くと、簡単に下降点の直下3m位へ簡単にトラバースできる。そこから、20m位のクライムダウンである。確信の一ピッチはザイル無しでも通れる程度であるが、両脇はスッパリと百メート位切れており、安全の為には、必要であろうと思う。下ったコルで小休止を取った。ここからは、北穂小屋が間近に望めるが、かなりの急登を一直線にアルバイトするだけである。ぐんぐん高度上げて、小屋のテラスへは右側から登り詰めて、階段を登り、多くの登山客が休憩するテラスへと出る。急に都会が訪れる。テラスには庇があり日除けができるので、食事等して、休息を取る。山頂では記念撮影と、滝谷のドーム中央稜などクライマー等を見学して、昨日同じルートを下山に掛かる。我がパティーは北穂山頂より下り際に、中日新聞の取材を受けながら下る事となった。県警の山岳パトロールの取材であった。南稜の急な下りは涸沢のテン場を見ながら、『まだかまだか、ビールビール』と念仏を唱えて下る。朝、東稜の別れ道で休憩をとり、もう一度近朝踏んで行ったトレースを目で追う。大竹さんはもう一度東稜のガレの取り付きまで、帽子を探しに行くので、一時的に分かれる。(後、テン場でポーチに閉まっていたのが発覚した。)涸沢のテントの方を注視しながら下山すると、12:15頃に村上さん達の前穂の北尾根チームが下山して来たのが、遠目に確認できる。我々も程なく帰着した。村上さん達は本日に下山との事で、ビヤーパーティーに参加しないで、出立して行った。如何にも残念そうであった。本日も素晴しい天気の中、涸沢ヒュッテのデッキテラスでビールでの乾杯し、程良い満足感と体の疲れを感じながらも、楽しい話の花が咲いた。本日でテントの数も減ってしまったが、涸沢の夏は若い女性も多く、清潔で都会的な場所であった。                                                          以上

眼下にテント場が見える
東稜を目指してガレ場を登る
槍をバックに一枚
岩稜登りのスタート
ゴジラの背の稜上
東稜のコルで一休み
北穂頂上、東稜組全員