大宮アルパインクラブ
DATA CONTENTS
日付 2009年 9/20〜9/21
宿泊 テント泊
天気 おおむね良好
メンバー 横田川(L)、菅野、福原、ちえ
歩行時間 文参照
アクセス さいたま〜水上〜谷川岳周辺
報告者【ちえ】
 シルバーウィークとやらの数日を大好きな山で過ごす。わが会の登攀隊若手ホープの二人は、7月に入る予定が天気が悪く断念しているので、谷川はデビュー戦。ところがさすが連休とあって出合までは車が入れないことに着いてから気づき、後発の菅野号に連絡。福原さんは先に中央カンテに行こうと提案するつもりだったようだが、リーダーの計画どおり、まずは幽の沢へということになる。「アプローチの沢筋は一部ぬめって危ない」というリーダーの情報は今年に限って必要ないほど快適に乾いた沢床を快調に登り詰める頃、パラパラと一瞬雨が降ったが、クライミングシューズに履き替えると気合と期待が高まる。右股リンネをトラバースするところから、菅野・福原のホープ隊と、横田川隊に分かれてザイルを組む。V字右ルートの始まりだ。そこを登攀開始とすると、トラバースするまでが2ピッチ。2ピッチ目は一部草つきでぬめっていやらしかった。ここでちょっとアクシデント。ホープ隊でフォローに回っていた菅野さんが3ピッチ目出だしの下降に移ったところでスリップ。8〜9m滑落したらしい。小さい岩壁を隔てていた私にはぜんぜん聞こえず、ビレイ点にたどり着いて知らされびっくり。幸い擦り傷と打ち身だけで元気だったが、ひやりとした瞬間。気が引きしまる。3ピッチ目私のリード。さすがホープ隊リードの菅野さんはあえて難しいルート取りをしたので、私は謙虚に(笑)やさしく左上とおもったのだが、一部間違えてワンステップ苦戦。なんとか腐りかけのピンを発見してランナーを取り、ビレイにこぎつける。そこからは楽しく快適な登攀が続く。真っ青な空、誰もいない貸し切りの幽の沢で、足元はるかな美しい真っ白なスラブを見下ろす快感。大好きなチムニーなどを通り抜け、最後はブッシュ交じりを軽く登って終了点。初級向けルートとはいいながら、結局10ピッチ(菅野・福原パーティは9ピッチ?)になる登攀を終えてほっと安心のランチタイム。
 そこからは稜線に抜けて登山道を下り、ベータルンゼの懸垂点まで藪こぎ。幽の沢は人気がないのか踏み跡も全く消えていて、リーダーの3年前の記憶に頼るのみだがこれがどんぴしゃり。そこからは藪の中、切れそうな残置に不安を抱きながら、菅野さんが捨てシュリンゲを出しつつ3ピッチ懸垂。その後スラブを降り、ガラ場を抜け、ボサの覆いかぶさる踏み跡を潜り抜けるようにして降りてやっと旧道に出る。あとは一般登山道を駐車場まで戻る。途中、大切にデポしておいた橡の実を無事回収。執心する菅野さんと私に、横田川さん、福原さんも手伝ってくれて大量採取。どうやって食べるんだろうね?といいながら、魅惑的な木の実にうっとりする。落ちているモノを見るとどうして人は拾いたがるのだろう?人によってはこれがシュリンゲだったりするらしいが、いずれにしろゲットする快感・・・・。さらには菅野さんが教えてくれたうわばみ草も晩御飯のおかずにたくさん採集。これはどうやら福原さんのつぼにはまったようだった。お土産として大活躍したらしい。白毛門口のPに移動して、仕事を手分け。横田川さんと私はテント設営&炊事準備、菅野さん福原さんが買出しに。すぐに火をおこし、ご飯が炊ける頃買出し班帰着。ビール(とお茶)を片手に一気に祝宴に突入。車の中で疲れ果ててすでに転寝モードの菅野さんも生き返ったように「うまい!最高!」を連発。福原さんも山行後の焚き火宴会は初めてとのことで喜んでいただける。満天の星空の下、8時半ごろお開きにして明日3時起床・中央カンテ登攀を約束して就寝。
 ところが、である。その3時起床が誰にも主張されず、結局おきだしたのは空も明るむ5時半であった。寝坊だあ。・・・あきらめてゆっくり食事をして、今日の山行は銭入沢にしようということになる。しかし歩き始め湯檜曽にかかる橋を渡る時になり一ノ倉偵察案が浮上。仕切りなおして車道を歩いて出合から一ノ倉へ。沢通しは楽しいクライミングだった。快晴の一ノ倉には、たった1パーティが南稜にいるだけ。みんなで寝坊を心底悔やみつつ、いつか登るルートを胸に暖めたのだった。余談ですが、橡の実を食べられるようにするのはとっっっても大変なようです。
       滝沢リッジをバックに   Photo by Chie             
    衝立岩の前で   Photo by Chie
一ノ倉沢アプローチ   Photo by Chie
うはうはの橡の実   Photo by Chie
収穫の秋(山葡萄、サルナシ、うわばみ草)   Photo by Chie
幽の沢1 アプローチ    Photo by Yokotagawa 
幽の沢2 カールボーデン   Photo by Yokotagawa
幽の沢3 右俣リンネトラバース   Photo by Yokotagawa
幽の沢4 焚き火の晩餐   Photo by Yokotagawa
一の倉沢1 一の倉沢下部ゴルジュ  Photo by Yokotagawa
一の倉沢2 ヒョングリの滝、側壁   Photo by Yokotagawa