Omiya Alpine Club
山行報告
DATA CONTENTS
日付 2009/12/19〜20
宿泊 前夜発(ロープウェイ駐車場6階ロビーで仮眠)
天気 晴れ
メンバー Aパーティ:PL石倉、瀬下、大竹、濱田
Bパーティ:PL横田川、村上、菅野、岡野、福原、ちえ
Cパーティ:PL正田のり、SL桐生、みどり、小川、清水
Dパーティ:PL町田、こげん太、タカ
歩行時間 登り5時間、下り2時間
アクセス
プランナー【町田】
【講習会趣旨】
シーズン初めの身体慣らしと雪上動作確認
安全な歩き方、雪山パーティとして標準的なスピードで歩くことの出来る体力、ラッセル、雪山での基本的な安全確保技術の習得または復習確認
【参加人数】
石倉会長以下18名
【パーティ構成】
Aパーティ:PL石倉、瀬下、大竹、濱田
Bパーティ:PL横田川、村上、菅野、岡野、福原、ちえ
Cパーティ:PL正田のり、SL桐生、みどり、小川、清水
Dパーティ:PL町田、こげん太、タカ
【当日の積雪状況】
講習会前数日の間に一気に降った新雪が70cm〜1m
弱層テストでの弱層は見当たらない
【当日の行動】
Aパーティ・・・Report by【石倉】 PL石倉、瀬下、大竹、濱田
 山域・・・谷川岳西黒尾根
今回は雪上訓練ということで来たが、天気や雪の状態が良かったら頂上を目指すことにした。もしそれが出来なかった場合は訓練に変更するつもりで、ザイル関係・ビーコン・ゾンデ棒・スコップを持参した。
ロープウェイ駐車場を7時ちょっと前に出発する。登山指導センターの少し先にトレースがあったのでそこから登る。最初の目標は送電線の鉄塔のある場所だ。天気は晴れ、風も無さそう。ただ前日までかなり雪が降っていたので真新しいかなりの積雪である。最初から急な登りだったが、先行パーティのおかげでトレースはしっかりしていて登り易かった。
鉄塔のある台地に着いたところで休憩をとる。その後樹林の中をひたすら登っていく。樹林帯も終わりに近づいて谷川岳本峰付近が見えてきた。
クサリ場の手前でアイゼンを付ける。クサリ場を一か所、二か所と通過すると先行パーティが何パーティも立ち止まっていた。その先は全くトレースが無い。先頭のラッセルしているパーティの進み具合が鈍い。ここから下山を考えているパーティと先に進もうとしているパーティとで大渋滞である。
我々は12時までをもって下山することに決め、同じ西黒尾根で我々より下の方で雪上訓練をしている町田パーティに無線で連絡した。
下山の途中で町田パーティと合流し一緒にスタンディング・アックス・ビレイなどの訓練をした。更に下りでワカンの歩行トレーニングもした。駐車場には3時半ごろに着いた。
今回の雪上訓練は4パーティ(A・B・C・D班)に分かれて実施した。メンバー18名全員が駐車場の6階ロビーに集合したところで記念の写真を撮ってから解散となった。積雪がかなりあった状態でトレーニングができたので皆満足そうな顔をしていた。
Bパーティ・・・Report by【ちえ】 PL横田川、村上、菅野、岡野、福原、ちえ
 山域・・・赤沢山
数日前までは雪がないことが懸念され、足拍子山などが目標山域と仮定されていたが、前日からの降雪で谷川周辺は真っ白。相当のパーティが入山すると予想され、ラッセル訓練が目的のB班は「とにかく人の入らないところ」という選択肢から、土合駅裏側の赤沢山(1328m)での訓練を当日朝決定。 土合山の家裏の登山口からはトレースがあってがっかりしていたところ、それはほんの50mほどで終了。そこからは村上さん以外はワカンをつけて、希望通りトレースのないラッセル訓練となる。ワカンのつけ方については初心者および忘れている人ばかりで、菅野さんが丁寧に指導してくれる。細い沢を越えていきなりの急登を、村上さんがつぼ足でがんがんラッセルしていく。ワカンをはいての急登は面倒だったが、なんとか登り切ると退屈した村上さんが待っていた。暇なので何度か登り降りしたそうだ。その後は大きい人はひざ上、わたしなどは股までのラッセル。特に一番若い菅野さんと岡野さんが大活躍。大先輩2人も、何度もトップにたって強いラッセルをみせてくれる。どこを選べばなるべく沈まず、よりエネルギーをセーブしたルートがとれるか、先達の教えを受けながらあれこれ試してみる。ルートの取り方は本当に勉強になった。忘れないように自分の山行に生かしたいと感じる。また、倒木が隠れているところや下生えが多いところなどはとても歩きにくい。そういう場所は雪もふわっと積もるのでもぐりやすいということを教えられる。 汗だくになりつつ立ち止まると、降りたての雪が樹々にふんわり積もってきれいだ。向かいに見える谷川連峰は白銀に輝いて、真っ青な空に映えてとても美しくて見惚れる。衝立岩の大氷柱も教えてもらう。また、この山にはコナラなどのすばらしい巨木があちこちにあって驚かされる。 12時、かわいいピークに到達。大休止を楽しんだ後は下山にかかる。下山路は登りルート隣の尾根からと、青年3人組にナビゲーションがまかせられるが、下山開始10分もたたないうちにうまくルートが取れていないことが判明。しばし、どこを入ればよかったか協議しつつ、ルートの取り方など勉強会?とあいなるが、仕方ないのであきらめて同じルートで下山。 最後に見晴らしのよい広場でゆっくり休憩。すばらしい谷川の眺めを堪能しながら仲間のパーティの動向を思う。 下部の急な部分は雪もはがれ気味になっていて、下山は3時ちょっと前。集合場所で山行の報告をしあって解散となった。
Cパーティ・・・Report by【清水】 PL正田のり、SL桐生、みどり、小川、清水
 山域・・・天神尾根
今回の山行は多数の参加者がありレベルも色々で4パーティに分かれた。我々Cパーティはロープウェイ→天神尾根→山頂を目指す。前夜に谷川岳ロープウェイ入りし翌朝7時半ごろ出発。ロープウェイで山頂駅へ。トレースありいい感じ。天神尾根を歩いていると引き返してくる人達がおり聞いてみるとこの先トレース無くラッセルしているらしい。避難小屋手前から先行パーティのラッセルが始まっていた。我々はワカン装着し少し休憩。避難小屋先からは我々のラッセルが始まった。ラッセル未経験者はリーダーのりさん指導の下ラッセルをはじめる。最初はきつかったが要領を得てくるうちに少しずつ楽になりペースも安定してきた。登りでは胸ほどある雪を崩しながら進み一時間ほどで後続のパーティとラッセル交代。どれくらい進んだのだろうと下を見ると避難小屋はすぐそばだった・・・。避難小屋に引き返すと10分もかからず到着。避難小屋で昼食を取りラッセルの状況を見守る。この状況では今日中の登頂は不可能と判断し、避難小屋から見える小ピークを今日の目標とした。ラッセルで切り開かれた道を再び登り無事小ピークへ。頂上ではなかったが素晴らしい眺めを堪能することが出来た。ロープウェイ山頂駅近くまで戻り雪上訓練を始める。リーダー指導の下、まずはアイゼン無しでの登り下り。登りはつま先から、下りは踵からを意識する。続いてアイゼンを付けた場合での登り下り、トラバースを教わり次は滑落停止の訓練。アイゼンを足に引っ掛けて転倒した場合を想定しての訓練もあり実践的なものだった。どんな体制からでも素早く停止姿勢にもっていけるように何度も練習し体に覚えこませる。最後に「スタンディングアックスビレイ」を教わる。まずはロープの結び方、その結び方の特徴・長所短所を教わりビレイのやり方を教わる。実際に相方に滑り落ちてもらうと結構な力がかかる。気が抜けない。リーダーの提案で足元のカラビナからロープを抜いて直で止められるかやってみる。(絶対止めてやる!)と思っていたが踏ん張る間もなく一瞬で一緒に流されてしまった。やり方間違えるとどうなるかを体を張って体験できた。雪上訓練も終わりロープウェイで下山。全パーティ問題なく下山したことを確認し帰路についた。今回登頂はできなかったがラッセルの体験や雪上訓練で多くの事を学ぶ事ができ非常に充実した山行となった。
Dパーティ・・・Report by【タカ】 PL町田、こげん太、タカ
 山域・・・谷川岳西黒尾根

今年は雪が少ないと言われていたのが嘘のような積雪量に恵まれ、初めての雪上訓練に参加しました。雪山が二回目の私はビーコンを見るのもゾンデ棒を手にとるのも初めてです。当初は谷川ロープウェイに乗り天神尾根での訓練を予定していましたが、積雪量が多いので西黒尾根の途中での訓練に変更になりました。とにかく真っ白な雪はフカフカで気持ちよく、まずはトレースがない場所を歩くという雪山の歩き方の練習です。雪は軽くひざまであり、ぬかって歩きにくい。西黒尾根の入り口までの練習のあと、いよいよスタートです。トレースがついているので、思っていたよりも登りやすくアイゼンはつけないで登っていきました。ラクダの背の手前で最高の景色を楽しみ、ここから引き返し訓練に適した場所を探して、滑落停止、スタンディングアックスビレイの練習をしました。滑落停止はうまくピッケルが使えず、何度も繰り返す。瞬時にピッケルを雪面に差し込むことの難しさを実感する。スタンディングアックスビレイは、止められずはじきとばされてしまいました。本当に難しい・・・。その後はワカンをつけての歩行練習。自分で自分のワカンを踏んで転倒・・・気をつけなければ。トレースがない場所を選んで歩くと両足がスッポリ雪の中へ・・・。とてもよい練習になりました。


【今後のこと】 町田
不確定要素の塊りのような雪山登山では、山行が無事終了するか否か、或いは状況的に可能な時の完登の成否などそれらを左右するのは、チーフリーダーやパーティリーダーの能力だけでなくメンバー全員がどれだけの体力、危険察知力、観察眼を持っているかだと思う。会長始め、当会には困難な雪山の経験を多く持つ会員が数名在会している。強くて経験豊富な雪山の先輩達が、過去なぜ困難な雪山を完登し且つ無事帰って来られているのか。シーズンを通して、彼らとともに雪山へ行く事により、実践を通じて多くのことを学べると思う。いつもリーダーについて行くだけ・・リーダーの後ろを歩くだけ・・から脱皮し、自分の判断力で彼らと同じ結果が出せる山ヤになることを目指そう!
体力、危険察知力、観察眼の習得こそ安全な雪山登山の第一歩であり且つ完成形だと思う。
西黒尾根1 鉄塔のところで
西黒尾根2 前日かなり雪が降った後だった
西黒尾根3 西黒尾根を登っているのは50名ぐらいだった
西黒尾根4 クサリ場を過ぎたあたり
西黒尾根5 トレースはこの辺までだった
西黒尾根6 この先は全くトレースが無く、12時を持って下山することにした
雪上訓練1 参加者17名で記念写真
雪上訓練2 参加者18名全員で記念写真