Omiya Alpine Club | |||||||||||||||
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Report by 【井上】 初日、岩菅山から下山した。切明温泉の宿でビールを飲みながら、川の音に心癒される。これを天国と言わずして何が天国であろうか。でも明日の厳しいだろう佐武流山の行程がちらりと頭をよぎる。 佐武流山(さぶるやま)。この山の名前を正確に読める人は200名山マニアに違いない。コースタイムは9時間を越え、けものみちに毛が生えた程度の登山道で、標高差も1000mを越える。長い・悪い・きついの三拍子揃っている。200名山マニアか藪山愛好家以外にはお勧めできない。 長丁場に備え3時半起床。昨夜の酒が残って気分は最悪。まず1時間半の林道歩き。風邪もぶり返してきた。「リーダーに今日はやめときます」と言うタイミングを計っていたら、魚野川の渡渉。飛び石伝いに行けるかと思ったが、水量多く靴を脱いで渡る。雪解けのためか水温低く足が縮む。一度に目が覚めた。渡渉後標高差700mの急斜面を手をつきながら登る。登山道というよりけものみちに近い。突然茂みの中から黒い物体が逃げていった。ツキノワグマであった。単独で引き返す気持ちは完全に失せた。「森の熊さん」を歌いながら、我慢して登った。ワルサ峰の辺りからは苗場や鳥甲なども見えてきて、気分がよくなる。特に岩菅山から伸びる山脈の烏帽子岳の格好がよい。岩菅や佐武流より烏帽子の方が、200名山としてふさわしいと思える。残雪期にあの尾根の縦走を行いたいと思った。このあとアップダウンが多くて難渋しつつも、ようやく佐武流の頂上。誰もいない。苗場が大きい。昨日の岩菅とはまるで違う。関東近辺の200名山で人に会わないのはここだけだろう。 下山も急。下りで痛んだ足が魚野川の冷たい渡渉で生き返る。ひたすら長い林道に声もでないまま、切明温泉到着。11時間かかった。山を堪能した。しばらく山は要らない。ごちそうさま。 |
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岩菅山全景 |
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岩菅山頂 |
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檜俣川徒渉点 |
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石楠花が咲いていた |
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やっとワルサ峰まだ遠い山頂 |
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苗場分岐まで後一寸 |
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坊主平付近雪田を行く |
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やっと姿を表した佐武流山頂 |
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佐武流山頂にて |
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