Omiya Alpine Club
山行報告
DATA CONTENTS
日付 2010/6/13
宿泊 前夜発日帰り
天気 晴れ
メンバー 村上(CL)、石倉、小原、N美っち、chie、横田川、福原、布村、古村、横田、福田、川村
歩行時間 5時間
アクセス 東名高速大井松田→国道246→県道76→県道710→丹沢湖ビジターセンター(泊)
→穴ノ平橋
Report by 【川村】
[入山]
前日夜行で入山の計画だったが、私用にて単独行動を取る。深夜に本隊の車を探しながら林道を穴ノ平橋を目指して進む。心配されていた立間大橋手前の分岐にあるゲートは開放されていた。どうやら7月〜9月の間だけ閉じられるようだ。鹿や狸と遭遇しながら穴ノ平橋のゲートまで来るが、肝心の本隊と遭遇できない。ゲート前から転回出来るところまで下がろうとするが、倒木をかわそうとして前輪を側溝に落としてしまった。完全に脱輪してしまいタイヤが空転する状況だったが強引にハンドルを切って何とか脱出できた。
深夜の山中で携帯も通じない所でのトラブルでかなり肝を冷やした。未舗装の林道を夜間に走行するときは一層の注意が必要だ。立間大橋のゲートまで戻るが合流できず焦るが、この辺りから携帯が圏内になっていたので連絡が取れることを信じて林道の脇で車中泊することにした。
[入渓]]
朝、連絡が付き合流に成功した。本隊は林道入り口付近にあるビジターセンターに泊っていたらしい。無事に合流できてホッとした。。再び穴ノ平橋へ向かうが、車は橋の手前にある7・8台は止めれそうなスペースへ止めた。身支度を済ませ出発する。
[07:45] 沢へはスペースの下流方向の鹿ネット沿いに踏み跡を下っていく。すぐに大きな堰堤があり、梯子を降りて沢を下る。堰堤を4つ越えると遡行する小川谷回廊との出会いに出る。[写真]

出合い
[遡行]
すぐに狭くなりF1が現れ、改めて気を引き締める。
F2が有名な小川谷回廊のチョックストーン滝だ。[写真]

F2チョックストーン左
中央の大岩により左右に5mの滝に分かれており、各々分かれて取り付く。右ルートには流木と残置スリングがあり、水を頭から浴びながらそれを足掛かりに取り付く。古村さんと村上さんが登り、ザイルを下ろしてくれた。私は一度落ちたが、最終的には引き上げてもらい何とかクリアする。水がクッションになって怪我はないが、早々にずぶ濡れになりテンションが上がった。ここは高巻く迂回路がないため、私的に一番の難所だった。しばらく綺麗でかつ迫力のある渓谷を遡行していくとツルツルの大岩と呼ばれる1つの大岩に遭遇した。苔むした本当にツルツルの一枚岩で傾斜はそこまできつくないにもかかわらず沢靴でも登れない。上部から中間付近までは残置ロープがあるが、そこまでが一苦労だ。ここは福田さんが取り付き、すべり落ちそうな所を下から数人で支えてロープを掴んで越えた。[写真]

ツルツルの大岩

釜の中をへつり中
後から継ぎ足したロープを頼りに登るが、本当によく滑る岩だった。やがてF13の7m程の垂直に落ちる滝に到達した。右壁から取り付くが、岩角が丸く滑るため手掛かりがなく登った人は一番の難所だったと言っていた。この滝を越えると前方に崩壊した堰堤が目の前に現れる。薄暗い森の中で見事に苔むしたこの堰堤はなんとも言えない佇まいを持っていた。遡行はここまでで、堰堤を越えると広い河原になる。突然、空が開け眩しかった。河原を少し(5分ぐらい?)登った適当なところで休憩する。[12:10]沢靴を履き替え、登攀具を片付ける。写真撮影を除けば、みんなでまとまって休んだのはこれが最初で最後だった。

F11 2段20m

最後の難関
[下山]
ここからの下山路に東沢乗越から穴ノ平橋へ続く山道を使うが、広い河原が続き見つけ難い。ところが、偶然、幸いにも休憩したところのすぐ左手にケルンがあり、出発する前に見つかる。ケルンの脇から踏み跡を辿り、小さな堤を超えるとしっかりした林道に出る。途中、崩落したところが何ヶ所かあるが、歩きやすい道が続く。私は私用があり早く下山したかったので、途中で一人、先を急がせて頂いた。ゆるい下りの林道を小走りで進んでいくと、穴ノ橋のゲートに出る。穴ノ橋を超えたところの駐車スペースは一杯だった。橋を下った所のトイレに立ち寄り車に戻る。[13:25]予想より早い下山時間だったが、帰路を急いだ。

小川谷は2級の沢であり、以前行った1級の沢に比べて登攀要素が非常に高かった。しかし、その分、滝や岩場が魅力的ですばらしかった。登坂能力がない沢登り初心者の私でも無事に遡行できたのは、一重にリードして頂いた先輩方のおかげであり、この場をお借りしてお礼を言わせて頂きます。ただ残念なのが、高巻いた滝は当然登っておらず、なんとなく「もったいない」感が残ったことだ。登攀技術を磨き、また挑戦したいと思う。