Omiya Alpine Club
山行報告
DATA CONTENTS
日付 2010/09/11〜9/12
宿泊 ビバーク
天気 晴れ
メンバー 正田のり、川村、井上
歩行時間 9/11 大宮駅6:30 大洞川市ノ沢出会9:25~9:40 芝沢出会13:00 最奥の二股14:45~14:50 和名倉山16:40~16:50 最奥の二股18:40(ビバーク)
9/12 二股6:45 大洞川市ノ沢出会12:00^12:20 大滝温泉13:00~14:00 宮原駅16:55
アクセス
Report by 【井上】
埼玉県内最高峰かつ200名山である和名倉山への登山路は、山梨側から将監峠経由の縦走路、埼玉側からは和名倉沢とこの市ノ沢からの沢ルートの3ルートあるが、いずれも長くて変なルートばかりである。東京近郊にこういう昔風の不便な山が残されていることは大変うれしい。
市ノ沢出会は、小屋と単線軌道があるので見つけやすい。標高差100mを下り、大洞ダムを渡る。そこからダム湖沿いにトラバース道があるが、いきなりトラロープの張ってある崩れやすいトラバースルートである。更にその先のえん堤を越すのだが、足場の石垣が苔でつるつるで「いきなりかよー」と毒づいてしまう。
ここで沢靴に履き替え、市ノ沢の遡行開始。水量は多いが、特に難しいところはない。釜やゴルジュには必ず巻き道(というより昔からの作業道)がある。沢は倒木が多く荒れている。遡行者は少なそう。赤布は全くないが、注意深く踏みあとを探すと、けっこう濡れずに歩ける。地形が単調で高度計を確認しないと、現在地が分かりにくい。テントが張れそうなのは、出会いから1時間の炭焼き小屋跡と、最奥の二股30分手前の台地の2箇所のみ。大洞ダムから最奥の二股まで、標高差800mを倒木を越えながら5時間かけて登る。
最奥の二股に荷物をデポし、和名倉山頂を目指す。残り標高差500m。二股左のかすかな踏みあとを頼りに頂上に向かう。水が切れてからは、獣道と踏みあとが混然として、分かりにくい。鹿の糞が多い。とにかく高みを目指す。傾斜が緩やかになってから、ようやく看板・赤布が現れる。頂上には看板があるのみで、展望も効かない。ひっそりとした頂上である。
日没までにデポ地点に戻らなければならないので、すぐ頂上をあとにする。これまた地図と記憶を頼りに下山するが、紛らわしい地形に往生する。登りに使った谷に出会ったときはほっとした。でもこのあたりで日が暮れ、残り標高差200mを慎重に下る。ここで正田さんが、スリップし、どういう具合か顔面を強打してしまい、出血し、メガネも破損してしまった。ヒヤっとしたが大事には至らなかった。時間の読みが甘かった。ようやくの思いで最奥の二股のデポ地点に到着し、ほっとする。幕営適地まであと30分下りたかったが、無理と判断し、傾斜の強い二股でビバークすることにする。
3人がそれぞれ適当な窪地に身を沈め、マットを敷きツエルトをかぶる。石を取り除くと意外に快適な寝心地である。暖かい食事を摂るとたちまち眠くなる。このまま朝までぐっすり眠れた、と言いたいが、さすがに標高1500mは寒く、夜中に何度も目を覚ました。
翌朝、市ノ沢は東に向いてる沢なので、5時半に朝日に照らされて目が覚める。暖かくなると寒さも忘れ、元気になって出発する。慎重に下る。途中一度だけ懸垂用のロープを出した。5時間かかってダムに戻る。コースタイムは3時間だが、3時間で下れる人などいるのだろうか?結局2日間で他のパーティーに出会わなかった。秩父の沢でも少し外れるとこんなものなのだろうか?
2日間沢を堪能した。ヘビーであった。大滝温泉の湯に癒された。

連瀑帯

すだれ状滝

最奥の二股でビバーク

市ノ沢の頭到着(帰りの方向をしっかりと)

炭焼跡は良いテンバ