2014/8/1~4 剱岳チンネ左稜線&Ⅵ峰Dフェース富山大ルート

 ★メンバー:K美(L)、S水
日程:7月31日夜埼玉発 8月1入山、8月4日下山

行程

1日 立山駅7:00⇒室堂9:00 ⇒ 別山乗越11:00 ⇒剱沢雪渓⇒長次郎出合⇒熊の岩16:00

2日 熊の岩6:00 ⇒ 池ノ谷乗越 ⇒三ノ窓 ⇒チンネ南稜取付9:30 ⇒チンネの頭16:30⇒池ノ谷乗越⇒熊の岩18:00

3日 熊の岩9:00⇒Ⅵ峰Dフェース富山大ルート取付10:00 ⇒ Ⅵ峰の頭14:00⇒ 熊の岩17:00

4日 熊の岩9:00⇒剣沢キャンプ場11:00⇒室堂15:30

 

夏休みのためか賑やかな室堂

一足早い夏休みは、梅雨明けで天候が安定していると思われる初めに設定。漠然と憧れていた遠い剱岳の「チンネ⇒最低3日ないと行けないので、事前準備を整え本番に臨みました。直前まで扇沢経由か立山経由かで悩みましたが、最終バスの時間から立山⇒室堂ルートで上へ上がることとしました。

平日金曜日なのに始発のチケットは買えず7時立山発の臨時便で室堂へ!

別山乗越へ!

 

しかし荷物が重い!3泊分の生活用品の他に50Mロープ、大量のプロテクション類、借り物のハンマー、ハーケン、カム、そして欠かすことの出来ない(?)酒類!もあり荷物は25kgオーバー!

次第に地獄の歩荷訓練と化していく!

 

剣澤小屋下部より雪渓上へ!アイゼンを装着

 

去年登った源次郎尾根取付まで下りてきました

 

 

 

 

 

 

 

 

雪は締まっておりシュルンドも無く歩きやすいのですが‥

 

長次郎谷出合から熊の岩までの登りは、荷物の重さ、前日ギリギリまで仕事をし、そのまま立山まで走行し、駐車場での仮眠しかしていない体には、かなりツライ!小休止で止まると睡魔が襲ってきそう!

救いは日本離れした美しい景色!

 

八つ峰Ⅵ峰の絶景!正面右からA、B、C、D峰

 

ようやくベースキャンプとなる熊の岩の棚へ到着。雪がすぐ近くまで迫っておりテントが張れるスペースは5~6箇所くらいか。

到着時は4張設置有り、なんとか場所を確保し設置、疲れもあり早々に就寝の予定がついつい一杯‥

前日から続いていた長い1日目が終了。

 

朝日に照らされる本峰

 

2日目

前日の疲れからか何と2人とも寝坊!3時に起きる予定が既に4時半でかなり明るい!

明るい方が安全だとポジティブ思考でも、ちょっと急いで支度をして6時に出発

シュルンドを巻く!

 

 

長次郎右俣⇒池ノ谷乗越はシュルンドが多数口を開けている急な雪渓を登る! かなりの傾斜であり帰りは怖そう!

場所によってはシュルンドを避けるため右の岩壁に下りて進む。斜面に近いため2~3mで地面に下りられる。

シュルンドは遠くから見ると恐ろしいが、近づいて見ると以外に締まっており、落ちる恐怖は感じなかった。

 

落石注意!正面のコルが三ノ窓

 

池ノ谷乗越を超えると全く雪が無くなりガレ場の急斜面が出てくる。

 

 

 

 

左の尖塔に見えるのがチンネ。V字に切れているところは池ノ谷ガレーに下りる懸垂下降の支点があるところ。

 

 

そしてとうとう右側にチンネが見えてきた!テンション上がってくる!

 

 

 

 

正面のスカイラインが左稜線ルー

 

三ノ窓に到着

先行パーティーが稜線に張付いているのが見える。

取り付きまでは雪渓の急斜面をトラバース!

 

落ちたら滑るだろうな~

 

いよいよチンネ取り付きへ!

 

 

 

 

雪から下りるように取り付く。支点はほどんどハーケン!

 

 

時間も押しているため早々に準備をして登り始める!

アイゼンやピッケル、登山靴など全て背負っているため、なかなかの重さのザックを背負ってのクライミングスタート!

 

正面尖塔に見える下が核心のハング越9P!
その先もナイフエッジが続く。まだまだ遠いな~

 

 

2人とも初めてと言うことも有り、ルートファインディングやピッチを切る支点を探すため時間がかかってしまう!

だんだん雲行きも怪しくなって‥

 

 

 

ガスに加えて雨まで落ち始めた!!左の影はクレオパトラニードル

 

 

ようやく核心部を越えてチンネらしいナイフエッジに出たところでガス!

雨も落ちてきてしまった。やはり山の午後は天気が不安定になると実感!

 

 

下の方は天気が良いのだが‥

 

 

 

 

 

 

写真では分かりにくいですが、濡れているため怖くて岩の上に立てませんでした  (^_^;)

 

ようやく頭に到着!

遠くでカミナリが鳴っており早々に下山開始。

 

 

 

池ノ谷ガレーへ懸垂下降中!

 

 

頭からブッシュの踏み跡を下りるとコルに出る。右へ行くと池ノ谷ガレーへの懸垂支点が見つかる。

3回懸垂下降をして池ノ谷ガレー中腹に到着。来た道を戻り熊の岩へ夕方到着。長~い一日が終わった!

 

今日もⅥ峰は目の前にあります(当たり前か!)           正面真ん中がCフェース、その左のDフェースを目指す!

 

3日目

今日は八つ峰Ⅵ峰Dフェース富山大ルートを登り、可能なら下山というプラン

しかし酒飲みお寝坊さん2人組は今日も早起き出来ず、出発は会社の出勤時間と同じ9時となってしまいました (+_+)

 

 

奥のルンゼに行きたいので、シュルンドを避け雪上から岩壁に下り、雪と壁の隙間を歩いて行きます!

 

Dフェースはものの10分もあれば基部に着きますが、手前のシュルンドが深く真っ直ぐルンゼには行けません。そのため左から壁に下り雪と壁の間を通って取付に向かいます。

 

 

1P目
結構壁は立っています (^_^;)

 

いよいよクライミングスタート!

今日は朝から雲が多めですが、雨は降っていません。何とかもってほしいと願いつつ私のリードでスタート!

 

  

稜線に出ると快適です!バックは熊の岩

 

 

 

3ピッチ目付近で私がリードの時、バンドを左に行くところを間違って直上してしまったり、支点が見つからないなど、思った以上にルートファインディングに時間がかかってしまいました。  

Dフェースの頭にて。奥には昨日登ったチンネが!

 

 

 

時間はかかりましたが無事Dフェースの頭に到着、八峰ノ頭の奥には昨日登ったチンネが見える!

その後懸垂下降で下山、懸垂支点が分かりにくく思った以上に時間がかかってしまったため、もう一晩熊の岩で過ごすこととなりました。   

熊の岩の直ぐ下で要救助者を引き上げるためホバリングする富山県警のヘリ

 

 

しかし毎日のように県警のヘリが爆音と轟かせ飛んでいました。後で剣沢キャンプ場常駐のドクターに聞いたところ道を間違え北方稜線で動けなくなったハイカーで、その後回復し歩いて下山したとのこと。無事で何よりでした!

 

最終日の剱沢キャンプ場。天気が悪化するのか、テントを畳んでいるパーティーが多かった

 

 

4日目

もはや精根尽き果て3日連続の朝寝坊!もはやこの時間が我々の標準時間となった?!

しかも天候は雨!テントの中では嵐のように感じるくらい風雨が強そう。(^_^;)

しかし一昨日、昨日に降られることを考えればラッキーだった?とここでもポジティブ思考が働き、何とか雨のなかテントを畳み、コースタイム以上の時間をかけゆっくり室堂まで歩き、無事帰宅しました。 

 

今回の山行を振り返り‥

  • 天候にも恵まれ目標とした2つのクライミングを完登し大満足!
  • 私の経験、技量などもあり、初めてのルートはルーファイに時間がかかるため、本などに記載されている標準時間では難しい。もう少し時間的ゆとりが必要と思った
  • やはり山では早寝早起きが基本!
  • 荷物は極力軽く!特に登山靴は軽いのがクライミングには良い
  • お酒はほどほどに‥
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